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電験3種過去問【2016年電力 問17】

2025年6月5日

【配電】バランサ接続前後の線路損失計算《計算問題》

 図のような,線路抵抗をもった 100/200V 単相 3 線式配電線路に,力率が 100 % で電流がそれぞれ 30 A 及び 20 A の二つの負荷が接続されている。この配電線路にバランサを接続した場合について,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 ただし,バランサの接続前後で負荷電流は変化しないものとし,線路抵抗以外のインピーダンスは無視するものとする。

(a) バランサ接続後 a’-b’ 間に流れる電流の値 [A] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)5
(2)10
(3)20
(4)25
(5)30

(b) バランサ接続前後の線路損失の変化量の値 [W] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)20
(2)65
(3)80
(4)125
(5)145


「出典:平成28年度第三種電気主任技術者試験(電力)」

解答と解説はこちら

解答

(a):(1)が最も近い。
(b):(1)が最も近い。

解説

 バランサについての計算問題です。バランサの性質を理解していれば難しい問題ではありません。

(a) バランサ接続後 a’-b’ 間に流れる電流の値 [A] を求める。

 バランサ接続前,負荷から電源に向かう中性線の電流は 30-20=10 A である。バランサを接続すると,中性線に流れる電流が 0 A となるような電流がバランサ側へ流れ込む。つまり,バランサの b-b’ に10 A の電流が流れる。
 バランサ b’-a’ に流れる電流を Ib’a’ ,b’-c’ に流れる電流を Ib’c’ とすると,バランサ内へは電流が均等に還流するので,

\(\ \ \ I_{b’a’}=I_{b’c’}\\ \ \ \ I_{b’a’}+I_{b’c’}=10\\ \ \ \ ∴I_{b’a’}=5\\ \)

 つまり,バランサ接続後 a’-b’ 間に流れる電流の値は 5 A となる。

(b) バランサ接続前後の線路損失の変化量の値 [W] を求める。

 バランサ接続前,電源から a 点の相に流れる電流は 30 A,中性線を通って負荷から電源に戻る電流は 10 A , c 点の相を通って電源に向かう電流は 20 A となる。これら線路損失の合計は,

\(\ \ \ W_{b}=30^2\times0.1+10^2\times0.15+20^2\times0.1\\ \ \ \ \ \ =145[W]\\ \)

 バランサ接続後,電源から a 点の相に流れる電流は 30-5=25 A,中性線を通って負荷から電源に戻る電流は 0 A , c 点の相を通って電源に向かう電流は 20+5=25 A となる。これら線路損失の合計は,

\(\ \ \ W_{a}=25^2\times0.1+0^2\times0.15+25^2\times0.1\\ \ \ \ \ \ =125[W]\\ \)

 バランサ接続前後の線路損失の変化量の値は,

\(\ \ \ W_{b}-W_a=145-125\\ \ \ \ \ \ =20[W]\\ \)

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