送配電線路の電圧降下
送配電線路の電圧降下について。 配電の学習帳や送電の学習帳に関連事項があります。そちらも参照してみてください。
目次
送電線路の電圧降下
送電線路の電圧降下
実際の送電線の電圧降下は、線路上に負荷が分散しており複雑であるが、簡単のため線路末端に負荷が集中しているものとして考える。
交流三相3線式1回線の送電線路があり、受電端に遅れ力率 θ [rad]の負荷が接続されている。送電端の線間電圧を Vs [V]、受電端の線間電圧を Vr [V]、その間の位相差角は δ [rad]であるとする。
1相分の送電端相電圧を Es [V]、受電端相電圧を Er [V]とし、線路の抵抗とリアクタンスをそれぞれ r, xとする。送電線路に電流 I [A]が流れたとき、ベクトル図は下のようになる。

ベクトル図より、
\(E_s=E_r+rI\cos\theta+xI\sin\theta+j(xI\cos \theta-rI\sin\theta)\)[V]
一般的に、位相差角は δ [rad]は小さいので、上式の虚数部を無視でき、次式が得られる。
\(E_s=E_r+rI\cos\theta+xI\sin\theta\)
\(=E_r+I(r\cos\theta+x\sin\theta)\)
\(=E_r+IZ\)[V]
ここで、\(\displaystyle Z=r\cos\theta+x\sin\theta\) [Ω]を電圧降下等価抵抗と呼ぶ。
\(\displaystyle E_s-E_r=rI\cos\theta+xI\sin\theta\)
\(\displaystyle E_s-E_r=\frac{rP}{3E_r}+\frac{xQ}{3E_r}\)
線路の電圧降下は
\(\displaystyle V_s-V_r=\frac{rP}{V_r}+\frac{xQ}{V_r}\)
配電線路の電圧降下
電圧降下等価抵抗
実際の配電線の電圧降下は、線路上に負荷が分散しており複雑であるが、簡単のため線路末端に負荷が集中しているものとして考える。

送電端電圧(相電圧)を Es [V]、受電端電圧(相電圧)を Er [V]とし、単位長 [km]当たりの抵抗とリアクタンスをそれぞれ R, X とする。線路長 L [km]に電流 I [A]が流れたとき、ベクトル図は下のようになる。

ベクトル図より、
\(E_s=E_r+IRL\cos\theta+IXL\sin\theta+j(IXL\cos \theta-IRL\sin\theta)\)[V]
一般的に、α は小さいので、上式の虚数部を無視でき、次式が得られる。
\(E_s=E_r+IRL\cos\theta+IXL\sin\theta\)
\(=E_r+IL(R\cos\theta+X\sin\theta)\)
\(=E_r+ILS\)[V]
ここで、\(\displaystyle S=R\cos\theta+X\sin\theta\) [Ω]を電圧降下等価抵抗と呼ぶ。
電圧降下率
線路の電圧降下の度合いを示す、電圧降下率 ε は、電圧降下を受電端電圧(相電圧)に対する百分率で表す。
\(\displaystyle ε=\frac{E_s-E_r}{E_r}\times 100=\frac{ILS}{E_r}\times 100\) [%]
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