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電験3種過去問【2023年(上期)理論 問7】

2024年4月29日

【電気回路】抵抗の温度変化による電流値計算《計算問題》

 図の回路において、スイッチ S を閉じ、直流電源から金属製の抵抗に電流を流したとき、発熱により抵抗の温度が 120 ℃になった。スイッチ S を閉じた直後に回路を流れる電流に比べ、抵抗の温度が 120 ℃になったときに回路を流れる電流は、どのように変化するか。最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし、スイッチ S を閉じた直後の抵抗の温度は 20 ℃とし、抵抗の温度係数は一定で 0.005 ℃⁻¹ とする。また、直流電源の起電力の大きさは温度によらず一定とし、直流電源の内部抵抗は無視できるものとする。

(1)変化しない
(2)50%増加
(3)33%減少
(4)50%減少
(5)33%増加

解答と解説はこちら

解答

(3)

解説

抵抗値の温度変化

t₁[℃]における抵抗値がR₁[Ω]、抵抗温度係数がα[℃⁻¹]の抵抗器Aがある。t₂[℃]における抵抗値R₂[Ω]とするとその変化は、

R₂={(1+α(t₂-t₁)}R₁[Ω]

 t₁=20[℃]における抵抗値がR₁[Ω]、抵抗温度係数がα=0.005[℃⁻¹]、t₂=120[℃]における抵抗値R₂[Ω]とすると
R₂={(1+α(t₂-t₁)}R₁
 ={(1+0.005(100)}R₁
 =1.5R₁[Ω]

したがって、抵抗の温度が 120 ℃になったとき、この回路の抵抗値は、20 ℃のときと比べて1.5倍となる。

回路の電源電圧をVとすると、
スイッチ S を閉じた直後の抵抗の温度が 20 ℃で回路に流れる電流は、
\(I_1=\frac{V}{R_1}\)[A]
抵抗の温度が 120 ℃となったとき回路に流れる電流は、
\(I_2=\frac{V}{1.5R_1}=0.667I_1\)[A]

つまり、抵抗の温度が 120 ℃になったとき、この回路に流れる電流はスイッチ S を閉じた直後に比べて、66.7%まで低下したことになる。すなわち電流は、100-66.7=33.3%減少している。


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