// google adsence用 電験3種過去問【2020年理論 問11】 | 電気主任技術者のいろは

電験3種過去問【2020年理論 問11】

2022年4月24日

【電子回路】可変容量ダイオードに関する知識《空所問題》

 次の文章は、可変容量ダイオード(バリキャップやバラクタダイオードともいう)に関する記述である。
 可変容量ダイオードとは、図に示す原理図のように【(ア)】電圧V[V]を加えると、静電容量が変化するダイオードである。p形半導体とn形半導体を接合すると、p形半導体のキャリヤ(図中の●印)とn形半導体のキャリヤ(図中の○印)がpn接合面付近で拡散し、互いに結合すると消滅して【(イ)】と呼ばれるキャリヤがほとんど存在しない領域が生じる。可変容量ダイオードに【(ア)】電圧を印加し、その大きさを大きくすると、【(イ)】の領域の幅dが【(ウ)】なり、静電容量の値は【(エ)】なる。この特性を利用して可変容量ダイオードは【(オ)】などに用いられている。

 上記の記述中の空白個所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  (ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) 逆方向 空乏層 広く 小さく 無線通信の同調回路
(2) 順方向 空乏層 狭く 小さく 光通信の受光回路
(3) 逆方向 空乏層 広く 大きく 無線通信の同調回路
(4) 順方向 反転層 狭く 大きく 無線通信の変調回路
(5) 逆方向 反転層 広く 小さく 無線通信の同調回路

解答と解説はこちら

解答

(1)

解説

 可変容量ダイオードに関する記述である。ダイオードに(ア)逆方向電圧を加えると(イ)空乏層の領域の幅が変化することを利用して、静電容量を変化させている。

 静電容量C=εS/d[F](ε:誘電率でここでは空乏層の誘電率、S:電極板の面積でここでは空乏層断面積、d:誘電体の距離でここでは空乏層の領域の幅)で与えられる。

 このため(ア)逆方向電圧を大きくすると(イ)空乏層の領域の幅dは(ウ)大きくなるため、上述の静電容量Cは(エ)小さくなる。この、電圧信号で静電容量を変化させることができる特性は(オ)無線通信の同調回路(FM変調等)に利用されている。