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電験3種過去問【2024年(下期)電力 問15】

2025年5月16日

【火力発電】火力発電所の重油消費量と二酸化炭素発生量《計算問題》

 重油専焼火力発電所が出力1000MWで運転しており,発電端効率が41%,重油発熱量が44000kJ/kgであるとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 ただし,重油の化学成分(重量比)は炭素85%,水素15%,炭素の原子量は12,酸素の原子量は16とする。

(a) 重油消費量の値[t/h]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)50
(2)80
(3)120
(4)200
(5)250

(b) 1日に発生する二酸化炭素の重量の値[t]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)9.5×103
(2)12.8×103
(3)15.0×103
(4)17.6×103
(5)28.0×103


「出典:令和6年度下期第三種電気主任技術者試験(電力)」

解答と解説はこちら

解答

(a):(4)が最も近い。
(b):(3)が最も近い。

解説

(a) 重油消費量の値[t/h]を求める。

 発電所が出力1000MWで運転している。これを、熱量に換算すると、1 [W]=1 [J/s]なので、1000MJ/s の出力で運転していることがわかる。
 発電端効率が41%であるので、1000MJ/s の出力を維持するために必要な単位時間当たりのエネルギーは
 \(\frac{1000}{0.41}=2439\)[MJ/s]
となる。求める重油消費量は 1 時間(h)当たりの量であるので、1 時間に消費されるエネルギーを求めると、
 \(2439\times 60\times 60 =8,780,400\)[MJ]
となる。重油発熱量が44000kJ/kg=44MJ/kg であるので、1 時間に消費される重油量は
 \(\frac{8,780,400}{44}=199,555\)[kg]
である。したがって、求める重油消費量は200 [t/h]となる。

(b) 1日に発生する二酸化炭素の重量の値[t]を求める。
 重油の化学成分(重量比)は炭素85%であるので、前問の重油消費量200 [t/h]に対して、
 \(200\times 0.85=170\)[t/h]
が炭素重量となる。全ての炭素は完全燃焼して酸素と結合して、二酸化炭素となると考える。二酸化炭素の化学式は、
 C+O2→CO2
であり、炭素の原子量は12、酸素の原子量は16であるので、これらの原子量を化学式に当てはめると
 12+16×2→44
したがって、消費される炭素170 [t/h]が完全燃焼して得られる二酸化炭素重量は
 \(170\times \frac{44}{12}=623.3\)[t/h]
つまり、1 日に発生する二酸化炭素の重量は\(623.3\times 24=14,959\)[t]となる。

追加学習は火力発電の学習帳

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