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電験3種過去問【2016年電力 問13】

2025年6月5日

【配電】単相 2 線式配電線路の電圧降下と負荷電流の計算《計算問題》

 図のような単相 2 線式線路がある。母線 F 点の線間電圧が 107 V のとき,B 点の線間電圧が 96 V になった。B 点の負荷電流 I [A] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし,使用する電線は全て同じものを用い,電線 1 条当たりの抵抗は,1 km 当たり 0.6 Ω とし,抵抗以外は無視できるものとする。また,全ての負荷の力率は 100 % とする。

(1)29.3
(2)54.3
(3)84.7
(4)102.7
(5)121.3


「出典:平成28年度第三種電気主任技術者試験(電力)」

解答と解説はこちら

解答

(1)が正しい。

解説

 単相 2 線式の線路電圧降下がどのようになるか理解していれば,理論の電気回路のように解くことができます。

 電線 1 条当たりの抵抗は,1 km 当たり 0.6 Ω なので,1 m 当たりでは 0.0006 Ω である。それぞれの点間の線路抵抗は,

\(\ \ \ r_{AB}=200\times0.0006=0.12[Ω]\\ \ \ \ r_{BC}=150\times0.0006=0.09[Ω]\\ \ \ \ r_{CF}=100\times0.0006=0.06[Ω]\\ \ \ \ r_{AF}=50\times0.0006=0.03[Ω]\\ \)

 母線 F 点の線間電圧 107 V と B 点の線間電圧 96 V の差は,11 V である。単相 2 線式なので,11 V の電圧降下は,往路と復路に均等に分かれる。つまり,電線 1 条当たりの電圧降下は 11 V の半分の 5.5 V となる。
 点Aから点Bへ流れる電流を I₁ [A] ,点Cから点Bへ流れる電流を I₂ [A] とすると,流れる電流と各点間の抵抗値より以下の関係が成り立つ。

\(\ \ \ (60+I_1)r_{AF}+I_1・r_{AB}=5.5\\ \ \ \ (80+I_2)r_{CF}+I_2・r_{BC}=5.5\\ \)

これを整理すると,

\(\ \ \ 1.8+0.15I_1=5.5…(1)\\ \ \ \ 4.8+0.15I_2=5.5…(2)\\ \ \ \ (1)+(2)より\\ \ \ \ ∴6.6+0.15(I_1+I_2)=11\\ \ \ \ ∴I_1+I_2=29.3\\ \)

 電流 I₁ [A] と電流を I₂ [A] の和は,求めるB 点の負荷電流 I [A] となる。

追加学習は配電の学習帳

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