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電験2種過去問【2018年機械制御 問1】

2022年8月30日

【誘導機】三相かご形誘導電動機の始動方式《記述問題》

 三相かご形誘導電動機の始動方式に関し、次の問に答えよ。
(1)数キロワット以上の中小容量の三相かご形誘導電動機を全電圧始動した場合、定格電流の5~8倍程度の始動電流が流れる。この始動電流によって電動機に関連する設備に生じる可能性がある問題点を二つ挙げよ。
(2)スターデルタ始動方式を用いた場合、始動電流をほぼ\(\frac{1}{3}\)にすることができる。その理由を述べよ。
(3)スターデルタ始動方式を用いて始動電流を低減させた場合の問題点を二つ挙げよ。
(4)インバータを用いて、周波数及び電圧を制御して始動し、定格速度まで連続的に加速するインバータ始動方式の優位な点を二つ挙げよ。

解答と解説はこちら

解答

(1)数キロワット以上の中小容量の三相かご形誘導電動機を全電圧始動した場合、定格電流の5~8倍程度の始動電流が流れる。この始動電流によって電動機に関連する設備に生じる可能性がある問題点を二つ挙げよ。

 次の解答 a ~ f のうちいずれを解答してもよい。
 三相かご形誘導電動機を全電圧始動した場合、次のような問題が生じる可能性がある。

  1. 過大な始動電流のため大きな電圧降下を生じる。
  2. 過大な始動電流のためブレーカの動作を招く。
  3. 電動機への配線の焼損の可能性がある。
  4. 始動電流に対応するため定格設備容量より過大な設備容量が必要となる。
  5. 始動時の機械的ショックが大きい。
  6. 始動電流値に対する保護機器を選定すると適切な保護機能が得られない。

(2)スターデルタ始動方式を用いた場合、始動電流をほぼ\(\frac{1}{3}\)にすることができる。その理由を述べよ。

 スターデルタ始動方式は、電動機の各相の巻線を、始動時にはスター結線とすることによって相電圧が\(\frac{1}{\sqrt3}\)となり、始動終了後デルタ結線に切り換えることによって電源電圧を各相に供給する方式である。スター結線時はデルタ結線と比較して電源から見た見かけ上のインピーダンスが3倍となるので、線電流が\(\frac{1}{3}\)となる。

(別解)スター結線時は相電圧は線間電圧の\(\frac{1}{\sqrt3}\)となるので、線電流も\(\frac{1}{\sqrt3}\)となる。デルタ結線時の線電流は相電流の\(\sqrt3\)倍となる。両者の比をとると、スター結線時の線電流はデルタ結線時の\(\frac{1}{3}\)となる。

(3)スターデルタ始動方式を用いて始動電流を低減させた場合の問題点を二つ挙げよ。

 次の解答 a ~ e のうちいずれかを解答してもよい。
 スターデルタ始動方式を用いた場合の問題点として次のようなものがある。

  1. 始動トルクが約\(\frac{1}{3}\)に低下するため適用できる負荷が限られる。
  2. 始動トルクが低下するので始動時間が長くなる。
  3. スターからデルタに切り換える際に過大な突入電流が生じることがある。
  4. 切り換え時の電源位相によっては突入電流により、ブレーカの動作を招く。
  5. 切り換え時の無電圧時間は電動機が空転するためデルタ投入時に機械的ショックを生じる。

(4)インバータを用いて、周波数及び電圧を制御して始動し、定格速度まで連続的に加速するインバータ始動方式の優位な点を二つ挙げよ。

 次の方式 a ~ f のうちいずれを解答してもよい。
 インバータを用いて、電動機の一次周波数を最低周波数から定格値まで順次上昇させ、電動機の同期速度を連続的に変えて加速する方式であり、次のような優位な点がある。

  1. 通常は\(\frac{V}{f}\)を基本とし、電圧特性に補正を施した制御を行うので低周波定電圧でも磁束が低下せず始動トルクが低下しない。
  2. 始動電流が定格電流の2倍程度以下になる。
  3. 始動時間をインバータによって制御できる。
  4. 始動期間に生じる電動機の損失が少なく、発熱を抑制できる。
  5. ソフトスタートにより始動による機械的ショックが小さい。
  6. 始動電流や突入電流による他の機器への影響が少ない。

解説

なし