解答
(1)現在、我が国の大部分の配電系統は6.6kV三相3線式中性点非接地方式となっているが、我が国が従来から非接地方式を主体に発展してきた理由を次の観点から簡潔に説明せよ。
a 誘導障害の観点
6.6kV配電線は通信線とともに架空線で同一電柱に施設されることが多く、大地帰路電流の大きい接地方式を採用すると通信線に対する電磁誘導障害が問題となってくる。このため、地絡電流の小さい非接地方式が採用された。
b 保安の観点
非接地方式によって地絡電流を小さく抑えると、高低圧混触時に低圧線の電位上昇を低く抑えることができ、感電や火災の危険性の低減につながり、保安の観点で有利であった。
(2)近年、配電線に電力ケーブルが適用される場合が増加しているが、これが原因となって生じるおそれがある配電系統側の問題点について次の観点から簡潔に説明せよ。
c 地絡保護リレーの動作
電力ケーブルの増加によって線路の対地静電容量が大きくなると、地絡発生時の零相電圧が小さくなり、また零相電流は非接地系で小さいことから、地絡保護リレーの動作において、所要の地絡検出感度を得るのに困難な場合がある。
d 異常電圧の発生
非接地方式の配電系統では、間欠アーク地絡が発生すると、配電系統に異常電圧が発生するおそれがある。この場合、配電系統に電力ケーブルが多く適用され、対地静電容量が大きいほど異常電圧の発生のおそれが高まる。
(3)上記(2)の c と d の問題点に対し、両方に効果がある方法として、配電線の送り出し変電所側の対策を一つ挙げ簡潔に説明せよ。
1台の配電用変圧器が受け持つ配電系統の負荷容量や対地静電容量が過大になった場合、配電用変圧器を新たに増設して受け持つ配電系統を分割する。
解説
なし
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