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電験2種過去問【2021年理論 問7】

2022年4月24日

【電子回路】LEDの点灯回路の解析《空所問題》

 次の文章は、発光ダイオード(LED)の点灯回路に関する記述である。文中の\fbox{空白個所}に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。ただし、LEDの明るさはLEDを流れる電流に比例するとする。
 点灯時のLEDの順方向電圧\displaystyle V_Dはほぼ一定値となる。このため点灯時のLEDの解析は、LEDを図1にように大きさ\displaystyle V_Dの直流電圧源で置き換えて考えると簡略化できる。
 まず、図2の回路を用いてLEDを点灯させた。LEDに直列に接続する抵抗Rの役割は\fbox{(1)}である。LEDを流れる電流はLEDを直流電圧源\displaystyle V_Dに置き換えることで\fbox{(2)}と求められる。
 次に、2個のLEDを点灯させるために図3及び図4の回路を作製した。このとき図3及び図4で用いた全てのLEDの特性は等しく、\displaystyle V_Dは全て2Vとする。図3の\displaystyle V_{in}が5Vであるとき図3のLEDを流れる電流を50mAとするためには図3の抵抗Rを\fbox{(3)}Ωとすればよい。図3と図4の抵抗Rを\fbox{(3)}Ωとし、図3と図4の全てのLEDの明るさが等しくなるように図4の\displaystyle V_{in}を調整した。このとき図4の回路の消費電力は\fbox{(4)}mWである。
 図3及び図4の2個のLEDのうち片方のLEDが破損し断線したときにも、もう一方のLEDが点灯し続けるのは\fbox{(5)}である。

[問7の解答群]
(イ)\displaystyle 300   (ロ)\displaystyle 500      (ハ)\displaystyle LEDの破損防止

(ニ)\displaystyle 250   (ホ)\displaystyle 図3       (ヘ)\displaystyle 60

(ト)\displaystyle 20   (チ)\displaystyle \frac{V_{in}+V_D}{R}   (リ)\displaystyle 図3と図4の両方

(ヌ)\displaystyle 50   (ル)\displaystyle LEDの保温  (ヲ)\displaystyle LEDの明るさの向上

(ワ)\displaystyle \frac{V_{in}}{R}   (カ)\displaystyle 図4      (ヨ)\displaystyle \frac{V_{in}-V_D}{R}

解答と解説はこちら

解答

(1):(ハ)
(2):(ヨ)
(3):(ト)
(4):(イ)
(5):(カ)

解説

 点灯時のLEDの順方向電圧\displaystyle V_Dはほぼ一定値となる。このため点灯時のLEDの解析は、LEDを図1にように大きさ\displaystyle V_Dの直流電圧源で置き換えて考えると簡略化できる。

 まず、図2の回路を用いてLEDを点灯させた。LEDに直列に接続する抵抗Rは電流制限抵抗であり、役割はLEDに過大電流が流れることによる\fbox{LEDの破損防止}である。

LEDを流れる電流はLEDを、図1のように直流電圧源\displaystyle V_Dに置き換えることで\displaystyle \frac{V_{in}-V_D}{R}と求められる。

 次に、2個のLEDを点灯させるために図3及び図4の回路を作製した。このとき図3及び図4で用いた全てのLEDの特性は等しく、\displaystyle V_Dは全て2Vとする。図3の\displaystyle V_{in}が5Vであるとき図3のLEDを流れる電流Iを50mAとするための図3の抵抗Rは

\displaystyle R=\frac{V_{in}-2V_D}{I}=\frac{1}{50\times10^{-3}}=20\text{[Ω]}

Rを\fbox{20}Ωとすればよい。

図3と図4の抵抗Rを\fbox{20}Ωとし、図3と図4の全てのLEDの明るさが等しくなるように図4の\displaystyle V_{in}を調整した。つまり、図3と図4の各LEDに流れる電流I=50mAである。

このとき図4の回路の消費電力Pは

\displaystyle V_{in}=V_D+RI=2+20\times50\times10^{-3}=3\text{[V]}

であるので、

\displaystyle P=V_{in}\times2I=3\times2\times50\times10^{-3}=0.3\text{[W]}

P=\fbox{300}mWである。

 図3及び図4の2個のLEDのうち片方のLEDが破損し断線したときにも、もう一方のLEDが点灯し続けるのは、並列回路である、\fbox{図4}である。