// google adsence用 電験3種過去問【2021年理論 問2】 | 電気主任技術者のいろは

電験3種過去問【2021年理論 問2】

2022年4月24日

【電磁気】小球間に作用する静電力と誘電率の関係《正誤問題》

 二つの導体小球がそれぞれ電荷を帯びており、真空中で十分な距離を隔てて保持されている。ここで、真空の空間を、比誘電率2の絶縁体の液体で満たしたとき、小球の間に作用する静電力に関する記述として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)液体で満たすことで静電力の向きも大きさも変わらない。

(2)液体で満たすことで静電力の向きは変わらず、大きさは2倍になる。

(3)液体で満たすことで静電力の向きは変わらず、大きさは\(\displaystyle \frac{1}{2}\)倍になる。

(4)液体で満たすことで静電力の向きは変わらず、大きさは\(\displaystyle \frac{1}{4}\)倍になる。

(5)液体で満たすことで静電力の向きは逆になり、大きさは変わらない。

解答と解説はこちら

解答

(3)

解説

 クーロンの法則より、距離r[m]離れた電荷Q1[C]及び電荷Q2[C]に互いに作用する静電力F[N]は

\(\displaystyle F=\frac{1}{4\pi ε_0 ε_s}\times \frac{Q_1 Q_2}{r^2}\text{[N]}\)

で与えられる。

ε0は真空中の誘電率であり、比誘電率εsは真空では1となる。

真空中(εs=1)では、静電力F1[N]は

\(\displaystyle F_1=\frac{1}{4\pi ε_0}\times \frac{Q_1 Q_2}{r^2}\text{[N]}\)

絶縁体中(εs=2)では、静電力F2[N]は

\(\displaystyle F_2=\frac{1}{8\pi ε_0}\times \frac{Q_1 Q_2}{r^2}
\\ \displaystyle =\frac{1}{2}\times \frac{1}{4\pi ε_0}\times \frac{Q_1 Q_2}{r^2}
\\ \displaystyle =\frac{1}{2}F_1\text{[N]}\)

したがって、静電力の大きさは\(\displaystyle \frac{1}{2}\)倍になる。

静電力の向きは、電荷Q1及びQ2が変化しないことから、変わらない。