電動機応用の学習帳
目次
電動機の所要出力
巻上機電動機の所要出力
m[kg]の物体が速度v[m/s]で巻き上げられるときの
巻上機の電動機出力PM[W]は、機械効率をηとすると、
\(\displaystyle P_M =\frac{9.8mv}{η}\)[W]
減速機
減速機とは“複数の歯車を用い、回転速度を落としてトルクを上げる機器
減速比 n は、減速機入力側回転数を n₁ [min⁻¹]、出力回転数を n₂ [min⁻¹]とすると( n₁ > n₂ )
\(\displaystyle n=\frac{n_1}{n_2}\)
減速機入力トルク T1 [N・m] のとき、減速比を n 、減速機効率 η とすると、減速機出力トルク T2 [N・m] は、
\(\displaystyle T_2=nT_1\eta\)
トルク T [Nm]と出力 P [W]の関係は、角速度 ω [rad/s] とすると
P=ωT
慣性モーメントと回転エネルギー
慣性モーメントJ[kg·m2]の回転体の持つ運動エネルギーW[J]はW=(1/2)Jω2で与えられる。ここで、ω[rad/s]は回転体の角速度。
回転系の運動エネルギーについてはこちらも
定トルク負荷の加減速と誘導電動機の入力電力
誘導電動機の入力電力をP₁、誘導電動機の回転軸に換算した機械系の慣性モーメントをJ、運転の最中の回転角速度をωとすると加減速に要求する電力Paは
Pa=\(ω\left(J\frac{dω}{dt}\right)=ωJ\frac{dω}{dt}\)
揚水総合効率
揚水入力(発電電動機入力)は、流量をQ[m3/s]、ηMを電動機効率、ηPをポンプ効率、H[m]を「総落差+揚水損失水頭」とすると、
\(\displaystyle P_P=\frac{9.8Q_PH}{η_Mη_P}\)[kW]
で与えられる。ここで、揚水損失水頭とは、揚水時の水路や水圧管の壁と水との摩擦によるエネルギー損失に相当する高さhP[m]となる。
定トルク特性
トルクが速度に関係なく一定の特性の負荷は、コンベアや昇降装置などがある。
定トルク特性では、負荷トルク T は ω₀ に関係なく一定なので、それぞれに ω₀ を掛けることによって、入力電力は ω₀ に比例し、 P₀=k₂ω₀ (k₂は定数)となる。
定出力特性
速度に対してトルクが反比例して低下する特性の負荷は、定張力巻取機や圧延機、各種工作機械(主軸等)などがある。
2乗低減トルク特性
トルクが速度の 2 乗に比例する特性の負荷は、ファンやポンプなどの流体負荷がある。
トルクが速度の 2 乗に比例する特性では、負荷トルク T ∝ ω₀² なので、それぞれに ω₀ を掛けることによって、入力電力は ω₀³ に比例し、 P₀=k₁ω₀³ (k₁は定数)となる。
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