// google adsence用 電験3種過去問【2021年機械 問17】 | 電気主任技術者のいろは

電験3種過去問【2021年機械 問17】

2022年4月24日

【電熱】伝熱に関する知識と熱流計算《計算問題》

 熱の伝わり方について、次の(a)及び(b)の問いに答えよ。

(a)\(\fbox{(ア)}\)は、熱媒体を必要とせず、真空中でも熱を伝達する。高温側で温度T2[K]の面S2[m2]と、低温側で温度T1[K]の面S1[m2]が向かい合う場合の熱流Φ[W]は、S2F21σ(\(\fbox{(イ)}\))で与えられる。
 ただし、F21は、\(\fbox{(ウ)}\)である。また、σ[W/(m2・K4)]は、\(\fbox{(エ)}\)定数である。

 上記の記述中の空白箇所(ア)~(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

\(\small{\begin{array}{ccccc}
&(ア)&(イ)&(ウ)&(エ)\\
\hline(1)&熱伝導&T_2^2-T_1^2&形状係数&プランク\\
\hline(2)&熱放射&T_2^2-T_1^2&形態係数&ステファン・ボルツマン\\
\hline(3)&熱放射&T_2^4-T_1^4&形態係数&ステファン・ボルツマン\\
\hline(4)&熱伝導&T_2^4-T_1^4&形状係数&プランク\\
\hline(5)&熱伝導&T_2^4-T_1^4&形状係数&ステファン・ボルツマン\\
\hline\end{array}}\)

(b)下面温度が350K、上面温度が270Kに保たれている直径1m、高さ0.1mの円柱がある。伝導によって円柱の高さ方向に流れる熱流Φの値[W]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし、円柱の熱伝導率は0.26W/(m・K)とする。また、円柱側面からのその他の熱の伝導及び損失はないものとする。

(1)3
(2)39
(3)163
(4)653
(5)2420

解答と解説はこちら

解答

(a):(3)
(b):(3)

解説

(a)\(\fbox{熱放射}\)は、熱媒体を必要とせず、真空中でも熱を伝達する。高温側で温度T2[K]の面S2[m2]と、低温側で温度T1[K]の面S1[m2]が向かい合う場合の熱流Φ[W]は、S2F21σ(\(\displaystyle T_2^4-T_1^4\))で与えられる。
 ただし、F21は、\(\fbox{形態係数}\)である。また、σ[W/(m2・K4)]は、\(\fbox{ステファン・ボルツマン}\)定数である。

(b)下面温度が350K、上面温度が270Kに保たれている直径1m、高さ0.1mの円柱がある。伝導によって円柱の高さ方向に流れる熱流Φの値[W]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし、円柱の熱伝導率は0.26W/(m・K)とする。また、円柱側面からのその他の熱の伝導及び損失はないものとする。

断面積S[m2]、長さl[m]の熱伝導体の、熱抵抗R[K/W]は、熱伝導率をλ[W/(m・K)]とすると

\(\displaystyle R=\frac{1}{\lambda}・\frac{l}{S}\)[K/W]

この円柱の、熱抵抗Rは

\(\displaystyle R=\frac{1}{\lambda}・\frac{l}{S}\)

\(\displaystyle =\frac{1}{0.26}・\frac{0.1}{\pi0.5^2}\)

\(\displaystyle =0.49\)[K/W]

熱流Φ[W]は、温度差をθ[K]とすると、

\(\displaystyle \phi=\frac{\theta}{R}\)[W]であるので、

\(\displaystyle \phi=\frac{350-270}{0.49}=163\)[W]