// google adsence用 電験3種過去問【2016年機械 問1】 | 電気主任技術者のいろは

電験3種過去問【2016年機械 問1】

2022年4月24日

【直流機】直流電動機の速度《計算問題》

 電機子巻線抵抗が0.2Ωである直流分巻電動機がある。この電動機では界磁抵抗器が界磁巻線に直列に接続されており界磁電流を調整することができる。また、この電動機には定トルク負荷が接続されており、その負荷が要求するトルクは定常状態においては回転速度によらない一定値となる。
 この電動機を、負荷を接続した状態で端子電圧を100Vとして運転したところ、回転速度は1500min-1であり、電機子電流は50Aであった。この状態から、端子電圧を115Vに変化させ、界磁電流を端子電圧が100Vのときと同じ値に調整したところ、回転速度が変化し最終的にある値で一定となった。この電動機の最終的な回転速度の値[min-1]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし、電機子電流の最終的な値は端子電圧が100Vのときと同じである。また、電機子反作用及びブラシによる電圧降下は無視できるものとする。

(1)1290 (2)1700 (3)1730 (4)1750 (5)1950

解答と解説はこちら

解答

(4)

解説

題意より、下図のような分巻電動機を考える。

 図において、電機子巻線抵抗Raは0.2Ωで、端子電圧Vを100Vとして運転したとき、回転速度は1500min-1、電機子電流Iaは50Aであった。このときの、電動機定数K及び界磁磁束Φ[Wb]は、直流電動機の速度を表す、次の関係式からわかる。

$$n= \frac{V-R_{a}I_{a}}{KΦ}$$

すなわち、

$$1500= \frac{100-0.2 \times50}{KΦ}$$

$$KΦ= 0.06$$

この状態から、端子電圧を115Vに変化させたときの速度は次式となる。ここで、題意より界磁電流を端子電圧が100Vのときと同じ値に調整してあるためKΦは0.06、また回転速度によらず一定トルクの負荷であるので電機子電流Iaは50Aである。

$$n= \frac{V-R_{a}I_{a}}{KΦ}$$

$$n= \frac{115-0.2 \times50}{0.06}$$

$$n= 1750 [min^{-1}]$$

したがって、この電動機の最終的な回転速度の値は1750[min-1]となる。