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電験3種過去問【2024年(下期)電力 問13】

【送電】架空送電線のたるみ計算《計算問題》

 図のように高低差のない支持点A,Bで支持されている径間Sが100mの架空電線路において,導体の温度が30℃のとき,たるみDは2mであった。
 導体の温度が60℃になったとき,たるみDの値[m]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし,電線の線膨張係数は1℃につき1.5×10-5とし,張力による電線の伸びは無視するものとする。

\(\small{\begin{array}{cccc} (1)2.05&(2)2.14&(3)2.39&(4)2.66&(5)2.89\\ \end{array}}\)


「出典:令和6年度下期第三種電気主任技術者試験(電力)」

解答と解説はこちら

解答

(3)が正しい。

解説

 架空送電線のたるみを求める問題です。電験3種過去問【2012年電力 問13】に全く同じ問題の出題があります。

電線の実長L[m]は次式で求められる。ここで、電線のたるみD[m]、電線の径間S[m]。
\(\displaystyle L=S+\frac{8D^2}{3S}\)
電線の実長L[m]のとき、温度変化による電線長L’[m]は、1[℃]あたりの線膨張係数をα、温度差をt[℃]とすると
\(\displaystyle L’=L(1+αt)\)

題意より、導体の温度が30[℃]のとき、たるみD=2[m]なので、電線の実長L[m]は
\(\displaystyle L=S+\frac{8D^2}{3S}=100+\frac{8\times2^2}{3\times100}=100.10667\)
導体の温度が60[℃]のになったとき、電線の実長L’[m]は(温度差t=30℃)
\(\displaystyle L’=L(1+αt)=100.10667(1+1.5\times10^{-5}\times30)=100.15172\)
したがって、導体の温度が60[℃]のになったときの、たるみD'[m]は
\(\displaystyle L’=S+\frac{8D’^2}{3S}\)
\(\displaystyle 100.15172=100+\frac{8\times D’^2}{3\times100}\)
\(\displaystyle D’=\sqrt{\frac{300(100.15172-100)}{8}}=2.39\)
60[℃]での電線のたるみは2.39[m]となる。

追加学習は送電の学習帳

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