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電験3種過去問【2023年(上期)電力 問16】

2024年1月15日

【変電所】変圧器二次側の百分率インピーダンスと定格遮断電流《計算問題》

 図のように、定格電圧 66 kV の電源から三相変圧器を介して二次側に遮断器が接続された系統がある。この三相変圧器は定格容量 10 MV・A、変圧比 66/6.6 kV、百分率インピーダンスが自己容量基準で 7.5 % である。変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスを基準容量 100 MV・A で 5 % とするとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a) 基準容量 10 MV・A として、変圧器二次側から電源側をみた百分率インピーダンスの値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)2.5 
(2)5.0 
(3)7.0 
(4)8.0 
(5)12.5 

(b) 図の A 点で三相短絡事故が発生したとき、事故電流を遮断できる遮断器の定格遮断電流の最小値 [kA] として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、変圧器二次側から A 点までのインピーダンスは無視するものとする。

(1)8 
(2)12.5 
(3)16 
(4)20 
(5)25 

解答と解説はこちら

解答

(a):(4)が正しい。
(b):(2)が正しい。

解説

(a) 基準容量 10 MV・A として、変圧器二次側から電源側をみた百分率インピーダンスの値[%]を求める。

百分率インピーダンス

容量\(P_B\)[V・A]を基準とした単位法でのインピーダンス\(Z_{Bpu}\)[p.u.]は、容量\(P_{R}\)[V・A]を基準とした単位法でのインピーダンス\(Z_{Rpu}\)[p.u.]を用いて次式により求められる
 \(Z_{Bpu}=\displaystyle Z_{Rpu}\times\frac{P_B}{P_R}\)[p.u.] 

変圧器一次側から電源側をみた百分率インピーダンスは基準容量 100 MV・A で 5 % なので、基準容量を10 MV・A に換算すると、
\(%Z_{1}=\displaystyle 5\times\frac{10}{100}=0.5\)[%] 
したがって、変圧器二次側から電源側をみた百分率インピーダンスの値は
\(%Z=0.5+7.5=8.0\)[%] 

(b) 図の A 点で三相短絡事故が発生したとき、事故電流を遮断できる遮断器の定格遮断電流の最小値 [kA] を求める。

三相短絡電流

基準線電流\(I_B\)[A]で単位法でのインピーダンス\(Z_{Bpu}\)[p.u.]に流れる三相短絡電流\(I_S\)は、
\(\displaystyle I_S=\frac{I_B}{Z_{Bpu}}\)[A]

基準容量10 MV・A とするとき、A 点に流れる基準電流\(I_B\)[A]は、二次側定格電圧 6.6 kVであるので
\(\displaystyle I_B=\frac{10\times 10^6}{\sqrt3\times 6.6\times 10^3}\\
 =874.8\text{[A]}\)
A 点で三相短絡事故が発生したときに流れる三相短絡電流は、
\(\displaystyle I_S=\frac{I_B}{%Z}\\
 =\displaystyle\frac{874.8}{0.08}
 =10935\text{[A]}\)
よって、選択肢の中から、この事故電流を遮断できる定格遮断電流の最小値は12.5[kA]である。


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