解答
(5)
解説
ウラン235の燃料質量をM[g]とする。単位を[g]⇒[kg]に変換すると、ウラン235の燃料質量はM×10-3[kg]である。
核分裂時のウラン235の質量欠損は0.09%であったので、欠損した質量m[kg]は
\(\displaystyle m=M\times10^{-3}\times\frac{0.09}{100}\\
=0.9M\times10^{-6}\text{[kg]}\)
m[kg]の質量欠損によって生じるエネルギーE[J]は、真空中の光の速度c=3.0×108m/sとすると
\(\displaystyle E=mc^2\\
=0.9M\times10^{-6}\times(3.0\times10^{8})^2\\
=8.1M\times10^{10}\text{[J]}\)
題意での原子力発電所では、発生エネルギーEのうち30%を電力量WAとして送電できる。
\(\displaystyle W_A=0.3\times E\\
=2.43M\times10^{10}\text{[J]}\)
この電力量をすべて使用して、揚水式発電所で揚水できた水量は90000m3であった。
揚水入力P[kW]は\(\displaystyle P=\frac{9.8QH}{η_Mη_P}\)[kW]で与えられる。ここで、H[m]は揚程、Q[m3/s]は流量、ηMは電動機効率、ηPはポンプ効率。
流量Q[m3/s]は単位時間あたりに、揚水できる水量V[m3]であり、一方で、揚水入力P[kW]=P[kJ/s]は単位時間あたりのエネルギー量である。つまり発電時間における揚水入力電力量WA[kJ]と揚水できる水量V[m3]は、
\(\displaystyle W_A=\frac{9.8VH}{η_Mη_P}\\
\displaystyle =\frac{9.8\times90000\times240}{0.84}\\
\displaystyle =252\times10^6\text{[kJ]}\\
=252\times10^9\text{[J]}\)
つまり、ウラン燃料質量M[g]は
\(\displaystyle W_A=2.43M\times10^{10}=252\times10^9\\
\displaystyle ∴M=\frac{252\times10^9}{2.43\times10^{10}}\\
\displaystyle =10.37\text{[g]}\)
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