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電験3種過去問【2015年電力 問3】

2022年4月24日

【火力発電】火力発電所のボイラ効率の計算《計算問題》

 定格出力10000kWの重油燃焼の汽力発電所がる。この発電所が30日間連続運転し、そのときの重油使用量は1100t、送電端電力量は5000MW・hであった。この汽力発電所のボイラ効率の値[%]として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 なお、重油の発熱量は44000kJ/kg、タービン室効率は47%、発電機効率は98%、所内率は5%とする。

(1)51
(2)77
(3)80
(4)85
(5)95

解答と解説はこちら

解答

(4)

解説

題意より、送電端電力量は5000MW・hである。

送電端電力量W[MW・h]は、発電端電力量WG[MW・h]から所内率x[%]を差し引いたものであるので、

\(\displaystyle W=W_{G}\times(1-\frac{x}{100})\)

\(\displaystyle ∴W_{G}=\frac{W}{(1-\frac{x}{100})}=\frac{5000}{(1-\frac{95}{100})}\\
=5263\text{[MW・h]}\)

発電機の発電端電力量の熱量QG[MJ]は

\(\displaystyle Q_G=W_G\times3600=5263\times3600\\
=18947\times10^3\text{[MJ]}\)

使用燃料の発生熱量QF[MJ]は

\(\displaystyle Q_F=44000\times1100\times10^3=48400\times10^6\text{[kJ]}\\
=48400\times10^3\text{[MJ]}\)

発電端熱効率ηは、発電機の発電端電力量の熱量QGと使用燃料の発生熱量QFとの比で表され、

\(\displaystyle η=\frac{Q_G}{Q_F}=\frac{18947\times10^3}{48400\times10^3}\\
=0.39\)

一方で、ボイラ効率ηB、タービン効率ηT、発電機効率ηGとすると、発電端効率ηは、

\(\displaystyle η=η_B\timesη_T\timesη_G\)

\(\displaystyle ∴η_B=\frac{η}{η_T\timesη_G}=\frac{0.39}{0.47\times0.98}\\
=0.85\)

よって、ボイラ効率は85[%]となる。