// google adsence用 電験2種過去問【2017年機械 問6】 | 電気主任技術者のいろは

電験2種過去問【2017年機械 問6】

2022年8月23日

【照明】照度の定義と逆2乗の法則《空所問題》

 次の文章は、照度の定義と逆2条の法則との関係に関する記述である。文中の\(\fbox{空所欄}\)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
 図のように、点光源が水平な机上面上の高さ\(h\)にあり、その鉛直角\(\theta\)方向の微小立体角\(\Delta\omega\)内を光束\(\Phi\)が通過している。ここで、点光源とは、光源から照射を受ける面までの距離に比べて、光源の大きさが無視できる程度に小さなものをいう。逆2乗の法則による照度計算は、この点光源を前提としている。
 この条件において、ある点Pの水平面照度\(E_h\)が、その点Pに対応する微小面の平均照度\(E_{av}\)であることを以下に説明する。
 まず、光源からある方向に向かう光束の単位立体角当たりの割合を\(\fbox{(1)}\)という。逆2乗の法則による机上面上の点Pの水平面照度\(E_h\)は、逆2乗の法則に従って、光度\(I\)、高さ\(h\)、鉛直角\(\theta\)を用いて表すと
\(\fbox{(2)}\)となる。点光源の鉛直角\(\theta\)(点P)方向の光度\(I\)は、\(\Delta\omegaと\Phi\)とを用いて表すと\(\fbox{(3)}\)で求まるので、\(hと\theta\)が分かれば\(E_h\)を求めることができる。
 次に、微小立体角\(\Delta\omega\)が机上面に投影して作る微小面の面積\(\Delta A\)の平均照度\(E_{av}\)を求める。照度の定義に従えば、\(\Delta A\)の平均照度\(E_{av}\)は\(\fbox{(4)}\)で表せる。\(\Delta A\)は微小立体角\(\Delta\omega\)、高さ\(h\)、鉛直角\(\theta\)を用いて表すと
\(\fbox{(5)}\)となるので、これを\(\fbox{(4)}\)に代入すれば\(E_{av}\)を求めることができる。
 この\(E_{av}\)を求める関係に、\(I=\fbox{(3)}\)を代入して、\(\Phi\)、\(\Delta\omega\)を消去し、光度\(I\)を用いて表せば\(\fbox{(2)}\)となる。よって、ある点の水平面照度\(E_h\)は、その点に対応する微小面の平均照度\(E_{av}\)と同一である。

[問6の解答群]

\(\small{\begin{array}{ccc}
(イ)&\displaystyle\frac{\Delta\omega\cos^3\theta}{h^2}&(ロ)&\displaystyle\frac{\Delta\omega h^2}{cos^3\theta}&(ハ)&\displaystyle\frac{I\cos^3\theta}{h^2}\\
(ニ)&光束発散度&(ホ)&\displaystyle\frac{\Delta\omega h^2}{cos\theta}&(ヘ)&\displaystyle\frac{I\cos^2\theta}{h^2}\\
(ト)&光度&(チ)&\displaystyle\frac{\Delta A}{\Phi}&(リ)&\Phi\Delta\omega\\
(ヌ)&\Phi\Delta A&(ル)&\displaystyle\frac{I\cos\theta}{h^2}&(ヲ)&輝度\\
(ワ)&\displaystyle\frac{\Delta\omega}{\Phi}&(カ)&\displaystyle\frac{\Phi}{\Delta\omega}&(ヨ)&\displaystyle\frac{\Phi}{\Delta A}\\
\end{array}}\)

解答と解説はこちら

解答

\(\small{\begin{array}{cc}
\hline(1)&(ト)&光度\\
\hline(2)&(ハ)&\displaystyle\frac{I\cos^3\theta}{h^2}\\
\hline(3)&(カ)&\displaystyle\frac{\Phi}{\Delta\omega}\\
\hline(4)&(ヨ)&\displaystyle\frac{\Phi}{\Delta A}\\
\hline(5)&(ロ)&\displaystyle\frac{\Delta\omega h^2}{cos^3\theta}\\
\hline\end{array}}\)

解説

 図のように、点光源が水平な机上面上の高さ\(h\)にあり、その鉛直角\(\theta\)方向の微小立体角\(\Delta\omega\)内を光束\(\Phi\)が通過している。ここで、点光源とは、光源から照射を受ける面までの距離に比べて、光源の大きさが無視できる程度に小さなものをいう。逆2乗の法則による照度計算は、この点光源を前提としている。
 この条件において、ある点Pの水平面照度\(E_h\)が、その点Pに対応する微小面の平均照度\(E_{av}\)であることを以下に説明する。
 まず、光源からある方向に向かう光束の単位立体角当たりの割合を\(\fbox{(ト)光度}\)という。

 逆2乗の法則による机上面上の点Pの水平面照度\(E_h\)は、逆2乗の法則に従って、光度\(I\)、高さ\(h\)、鉛直角\(\theta\)を用いて表すと

 \(\displaystyle E_h=\frac{I}{l^2}\cos\theta\)

ここで、点光源からの距離\(l\)は\(\displaystyle l=\frac{h}{\cos\theta}\)であるので、

 \(\displaystyle E_h=\frac{I}{(\frac{h}{\cos\theta})^2}\cos\theta\)

 \(\displaystyle E_h=(ハ)\frac{I\cos^3\theta}{h^2}\)

となる。点光源の鉛直角\(\theta\)(点P)方向の光度\(I\)は、\(\Delta\omegaと\Phi\)とを用いて表すと\((カ)\displaystyle\frac{\Phi}{\Delta\omega}\)で求まるので、\(hと\theta\)が分かれば\(E_h\)を求めることができる。
 次に、微小立体角\(\Delta\omega\)が机上面に投影して作る微小面の面積\(\Delta A\)の平均照度\(E_{av}\)を求める。照度の定義に従えば、\(\Delta A\)の平均照度\(E_{av}\)は\((ヨ)\displaystyle\frac{\Phi}{\Delta A}\)で表せる。

\(\Delta A\)は微小立体角\(\Delta\omega\)、高さ\(h\)、鉛直角\(\theta\)を用いて表すと

 \(\displaystyle \Delta A\cos\theta=\Delta\omega l^2\)

ここで、点光源からの距離\(l\)は\(\displaystyle l=\frac{h}{\cos\theta}\)であるので、

 \(\displaystyle \Delta A=(ロ)\frac{\Delta\omega h^2}{cos^3\theta}\)

となるので、これを\((ヨ)\displaystyle\frac{\Phi}{\Delta A}\)に代入すれば\(E_{av}\)を求めることができる。
 この\(E_{av}\)を求める関係に、\(I=(カ)\displaystyle\frac{\Phi}{\Delta\omega}\)を代入して、\(\Phi\)、\(\Delta\omega\)を消去し、光度\(I\)を用いて表せば\(\displaystyle E_h=(ハ)\frac{I\cos^3\theta}{h^2}\)となる。よって、ある点の水平面照度\(E_h\)は、その点に対応する微小面の平均照度\(E_{av}\)と同一である。