// google adsence用 電験2種過去問【2017年機械 問1】 | 電気主任技術者のいろは

電験2種過去問【2017年機械 問1】

2022年8月23日

【同期機】同期機の運転特性《空所問題》

 次の文章は、同期機の運転特性に関する記述である。文中の\(\fbox{空所欄}\)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
 同期電動機は、定常運転時において、負荷の大小にかかわらず、\(\fbox{(1)}\)と\(\fbox{(2)}\)とで定まる同期速度で回転する交流機であり、一般に定速度電動機として用いられる。同期電動機が一定の負荷にて定速運転を行っているとき、界磁電流を増加させると電機子電流の位相は界磁電流増加前よりも\(\fbox{ (3)}\)方向に変化し、減少させると逆方向に変化する。これにより、運転力率を任意に調整することができる。
 同期電動機を原動機で駆動すれば、同期発電機として動作させることができる。電機子電流及び端子電圧の大きさ並びに回転速度及び回転方向は電動機運転時と変えず、同期発電機として遅れ力率で運転する場合の界磁電流は、遅れ力率で運転していた同期電動機の界磁電流\(\fbox{ (4)}\)。
 同期電動機は、インバータ電源などを用いて\(\fbox{(2)}\)を制御することによって可変速運転を行うことができる。一般に、誘導起電力は回転速度に比例して増減する。したがって、回転速度を定格速度より低くする場合、電源電圧と\(\fbox{(2)}\)との比を一定に維持するように制御を行えば、磁束をほぼ一定に保つことができる。
 永久磁石同期電動機で速度制御を行う場合、高速領域で誘導起電力が電源電圧より高くなり、そのままでは回転速度を上げることができなくなるときがある。このような場合に、電機子電流の位相を進み方向に制御し、\(\fbox{(5)}\)によって磁束を弱めるようにすれば、運転領域を高速側に拡大することができる。

[問1の解答群]

\(\small{\begin{array}{ccc}
(イ)&並列回路数&(ロ)&自己励磁作用&(ハ)&より大きい\\
(ニ)&後退&(ホ)&進み&(ヘ)&と同じである\\
(ト)&電機子反作用&(チ)&相数&(リ)&極数\\
(ヌ)&電源周波数&(ル)&遅れ&(ヲ)&巻線数\\
(ワ)&界磁電圧&(カ)&より小さい&(ヨ)&電機子漏れ磁束\\
\end{array}}\)

解答と解説はこちら

解答

\(\small{\begin{array}{cc}
\hline(1)&(リ)&極数\\
\hline(2)&(ヌ)&電源周波数\\
\hline(3)&(ホ)&進み\\
\hline(4)&(ハ)&より大きい\\
\hline(5)&(ト)&電機子反作用\\
\hline\end{array}}\)

解説

 同期電動機は、定常運転時において、負荷の大小にかかわらず、\(\fbox{(リ)極数}\)\(\fbox{(ヌ)電源周波数}\)とで定まる同期速度で回転する交流機であり、一般に定速度電動機として用いられる。同期電動機が一定の負荷にて定速運転を行っているとき、界磁電流を増加させると電機子電流の位相は界磁電流増加前よりも\(\fbox{(ホ)進み}\)方向に変化し、減少させると逆方向に変化する。これにより、運転力率を任意に調整することができる。
 同期電動機を原動機で駆動すれば、同期発電機として動作させることができる。電機子電流及び端子電圧の大きさ並びに回転速度及び回転方向は電動機運転時と変えず、同期発電機として遅れ力率で運転する場合の界磁電流は、遅れ力率で運転していた同期電動機の界磁電流\(\fbox{(ハ)より大きい}\)
 同期電動機は、インバータ電源などを用いて\(\fbox{(ヌ)電源周波数}\)を制御することによって可変速運転を行うことができる。一般に、誘導起電力は回転速度に比例して増減する。したがって、回転速度を定格速度より低くする場合、電源電圧と\(\fbox{(ヌ)電源周波数}\)との比を一定に維持するように制御を行えば、磁束をほぼ一定に保つことができる。
 永久磁石同期電動機で速度制御を行う場合、高速領域で誘導起電力が電源電圧より高くなり、そのままでは回転速度を上げることができなくなるときがある。このような場合に、電機子電流の位相を進み方向に制御し、\(\fbox{(ト)電機子反作用}\)によって磁束を弱めるようにすれば、運転領域を高速側に拡大することができる。