// google adsence用 電験2種過去問【2014年電力管理 問1】 | 電気主任技術者のいろは

電験2種過去問【2014年電力管理 問1】

2024年2月22日

【水力発電】水力発電所における水撃作用《記述問題》

 フランシス水車を設置するダム水路式水力発電所における水撃作用について、次の問に答えよ。
(1)水撃作用が発生する主な原因を説明せよ。
(2)設計段階で水撃作用に対する機械的強度の確保や対策設備の設置を考慮しなかった場合、水車及び水路のどのような部分に発生が考えられるか説明せよ。
(3)この発電所で水撃作用による被害を避けるため、機械的強度の確保とは別に採用される、設備による対策事例を二つ挙げ、その設備名称、設備の設置場所及びその仕組みを説明せよ。

解答と解説はこちら

解答

(1)水撃作用が発生する主な原因を説明せよ。

 発電機や発電所構内事故あるいは送電線事故などにより、保護装置が発電機の負荷を自動遮断した場合、水車・発電機が危険な速度まで速度上昇しないよう、(調速機及び保護装置により)ガイドベーンを急速閉止する。この場合、流水を急激に停止させたことにより、運動エネルギー(水流による慣性)が圧力エネルギー(高圧力)となって、水撃が発生する。

(2)設計段階で水撃作用に対する機械的強度の確保や対策設備の設置を考慮しなかった場合、水車及び水路のどのような部分に発生が考えられるか説明せよ。

 水撃作用の圧力変動により、水車のケーシング、水圧管路あるいは圧力トンネルを損傷するおそれがある。

(3)この発電所で水撃作用による被害を避けるため、機械的強度の確保とは別に採用される、設備による対策事例を二つ挙げ、その設備名称、設備の設置場所及びその仕組みを説明せよ。

  1. サージタンクを圧力トンネルの末端付近に設置し、水撃作用による圧力変動を吸収させる。
  2. 制圧機をケーシングあるいは水圧管路の末端に設置し、水圧が危険圧力まで上昇しないよう、調速機(ガバナー)によるガイドベーンの急速閉止に連動して、この制圧機の弁体を開放し、ケーシング及び水圧管路内の水圧を逃がす。

解説

電験2種過去問【2023年電力管理 問1】(フランシス水車の水撃作用対策)が類題です。

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