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電験2種過去問【2018年機械 問3】

2022年8月23日

【パワーエレクトロニクス】チョッパ回路の動作《空所問題》

 次の文章は、チョッパ回路に関する記述である。文中の\fbox{空所欄}に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
 図1は、\fbox{(1)}チョッパの回路図である。平滑コンデンサCの静電容量は十分に大きく、出力電圧V_{out}及び出力電流I_{out}のリプルは無視できるものとする。図2,3は、定常状態におけるインダクタの電圧v_{L}及び電流i_{L}の波形であり、スイッチSがオンの期間をT_{on}、オフの期間をT_{off}とする。
 図2は出力電流I_{out}が大きく、インダクタ電流i_{L}が常に正の場合で、電流連続モードと呼び、このときの出力電圧が、V_{out}=\fbox{(2)}となることは、よく知られている。ここで、デューティ比\displaystyle D=\frac{T_{on}}{T_{on}+T_{off}}を用いると、V_{out}=\fbox{(3)}V_{in}と表すこともできる。
 一方、出力電流I_{out}を低減すると、図3のようにインダクタ電流i_{L}に零となる期間が現れる。図3の場合を電流断続モード(電流不連続モード)と呼ぶ。定常状態では、インダクタ電圧v_{L}の1周期の平均値は常に\fbox{(4)}でなければならない。電流連続モードと電流断続モードとスイッチSのゲート信号が同じであれば、V_{out}
\fbox{(5)}なる。

[問3の解答群]

\small{\begin{array}{ccc} (イ)&昇降圧&(ロ)&正&(ハ)&\displaystyle\frac{T_{on}}{T_{off}}V_{in}\\ (ニ)&降圧&(ホ)&両者で等しく&(ヘ)&\displaystyle\frac{T_{on}+T_{off}}{T_{off}}V_{in}\\ (ト)&負&(チ)&D&(リ)&電流断続モードの方が高く\\ (ヌ)&\displaystyle\frac{T_{on}}{T_{on}+T_{off}}V_{in}&(ル)&1-D&(ヲ)&\displaystyle\frac{D}{1-D}\\ (ワ)&零&(カ)&昇圧&(ヨ)&電流連続モードの方が高く\\ \end{array}}

解答と解説はこちら

解答

\small{\begin{array}{cc} \hline(1)&(イ)&昇降圧\\ \hline(2)&(ハ)&\displaystyle\frac{T_{on}}{T_{off}}V_{in}\\ \hline(3)&(ヲ)&\displaystyle\frac{D}{1-D}\\ \hline(4)&(ワ)&零\\ \hline(5)&(リ)&電流断続モードの方が高く\\ \hline\end{array}}

解説

 図1は、\fbox{(イ)昇降圧}チョッパの回路図である。平滑コンデンサCの静電容量は十分に大きく、出力電圧V_{out}及び出力電流I_{out}のリプルは無視できるものとする。図2,3は、定常状態におけるインダクタの電圧v_{L}及び電流i_{L}の波形であり、スイッチSがオンの期間をT_{on}、オフの期間をT_{off}とする。
 図2は出力電流I_{out}が大きく、インダクタ電流i_{L}が常に正の場合で、電流連続モードと呼び、このときの出力電圧が、V_{out}=(ハ)\displaystyle\frac{T_{on}}{T_{off}}V_{in}となることは、よく知られている。ここで、デューティ比\displaystyle D=\frac{T_{on}}{T_{on}+T_{off}}を用いると、V_{out}=(ヲ)\displaystyle\frac{D}{1-D}V_{in}と表すこともできる。
 一方、出力電流I_{out}を低減すると、図3のようにインダクタ電流i_{L}に零となる期間が現れる。図3の場合を電流断続モード(電流不連続モード)と呼ぶ。定常状態では、インダクタ電圧v_{L}の1周期の平均値は常に\fbox{(ワ)零}でなければならない。電流連続モードと電流断続モードとスイッチSのゲート信号が同じであれば、V_{out}
\fbox{(リ)電流断続モードの方が高く}なる。