// google adsence用 電験3種過去問【2012年機械 問14】 | 電気主任技術者のいろは

電験3種過去問【2012年機械 問14】

2024年1月6日

【パワエレ】単相インバータの誘導性負荷での動作と機能《選択問題》

 図1は、単相インバータで誘導性負荷に給電する基本回路を示す。負荷電流 i₀ と直流電流 id は図示する矢印の向きを正の方向として、次の(a)及び(b)の問に答えよ。

(a)出力交流電圧の1周期に各パワートランジスタが1回オンオフする運転において、図2に示すように、パワートランジスタ S₁~S₄ のオンオフ信号波形に対して、負荷電流 i₀ の正しい波形が (ア) ~ (ウ) 、直流電流 id の正しい波形が (エ)、(オ) のいずれかに示されている。その正しい波形の組合せを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)(ア)と(エ)
(2)(イ)と(エ)
(3)(ウ)と(オ)
(4)(ア)と(オ)
(5)(イ)と(オ)

(b)単相インバータの特徴に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  1.  図1は電圧形インバータであり、直流電源 E の高周波インピーダンスが低いことが要求される。
  2.  交流出力の調整は、 S₁~S₄ に与えるオンオフ信号の幅\(\displaystyle \frac{T}{2}\)を短くすることによって交流周波数を高くすることができる。又は、E の直流電圧を高くすることによって交流電圧を高くすることができる。
  3.  図1に示されたパワートランジスタを、IGBT 又はパワーMOSFET に置換えてもインバータを実現できる。
  4.  ダイオードが接続されているのは負荷のインダクタンスに蓄えられたエネルギーを直流電源に戻すためであり、さらにダイオードが導通することによって得られる逆電圧でパワートランジスタを転流させている。
  5.  インダクタンスを含む負荷としては誘導電動機も駆動できる。運転中に負荷の力率が低くなると、電流がダイオードに流れる時間が長くなる。
解答と解説はこちら

解答

(a):(1)
(b):(4)

解説

電験3種過去問【2023年(前期)機械 問16】と同じ問題。

(a)パワートランジスタ S₁~S₄ のオンオフ切換直後は、誘導性負荷(リアクタンス)に蓄えられたエネルギーにより、しばらく逆電流が流れる。従って(ア)と(エ)が正しい組合せとなる。

(b)(4)が誤り。

ダイオードが接続されているのは負荷のインダクタンスに蓄えられたエネルギーを直流電源に戻すためであり、さらにダイオードが導通することによって(誤)得られる逆電圧でパワートランジスタを転流させ➡(正)逆電圧によるスイッチング素子(トランジスタ)の破損を防止している。
このようにスイッチング素子に対して並列に接続されるダイオードを還流ダイオードという。このダイオードの極性は直流電源に電流が逆流するような向きになっており、スイッチング直後の逆電流をダイオード側に流すことにより、逆電流によるスイッチング素子の破損を防止している。


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