解答
(1)
解説
RLC直列回路及びRLC並列回路の共振条件は、LによるインピーダンスZL[Ω]とCによるインピーダンスZC[Ω]が等しいことである。つまり、
\(\displaystyle Z_L=Z_C\)
すなわち、
\(\displaystyle ωL=\frac{1}{ωC}\)
\(\displaystyle ω=\frac{1}{\sqrt{LC}}\)
\(\displaystyle 2\pi f=\frac{1}{\sqrt{LC}}\)
\(\displaystyle f=\frac{1}{2\pi\sqrt{LC}}\)
回路の電源周波数\(\displaystyle f=\frac{1}{2\pi\sqrt{LC}}\)が成り立つとき、RLC回路は共振状態となる。
(a)上図のRLC直列回路では、回路に流れる電流\(\displaystyle \dot{I}\)を基準に考えると、
抵抗に掛かる電圧\(\displaystyle \dot{V_R}\)は、\(\displaystyle \dot{I}\)と同位相となる。
インダクタンスに掛かる電圧\(\displaystyle \dot{V_L}\)は、\(\displaystyle \dot{I}\)に対して90°進み位相となる。
コンデンサに掛かる電圧\(\displaystyle \dot{V_C}\)は、\(\displaystyle \dot{I}\)に対して90°遅れ位相となる。
ここで、\(\displaystyle \dot{V_L}\)の大きさは、
\(\displaystyle V_L=Z_L I\)
また、\(\displaystyle \dot{V_C}\)の大きさは、
\(\displaystyle V_C=Z_C I\)
共振条件より、\(\displaystyle Z_L=Z_C\)であるので、
\(\displaystyle V_L=V_C\)
電源電圧\(\displaystyle \dot{V}\)は、各RLCに印加される電圧のベクトル和となるので
\(\displaystyle \dot{V}=\dot{V_R}+\dot{V_L}+\dot{V_C}=\dot{V_R}\)
(\(\displaystyle \dot{V_L}\)と\(\displaystyle \dot{V_C}\)は逆向きで同じ大きさなので打ち消しあう)
電流Iの大きさは、
\(\displaystyle I=\frac{V_R}{R}=\frac{V}{R}\text{[A]}\)
以上より
LとCのそれぞれの端子間電圧は、
\(\displaystyle V_L=Z_L I\)と\(\displaystyle V_C=Z_C I\)が生じていて、ともに0ではない。
LとCの端子間電圧を一括して測定すると、
\(\displaystyle \dot{V_L}+\dot{V_C}=0\)となる。
(b)上図のRLC並列回路では、回路にかかる電圧\(\displaystyle \dot{V}\)を基準に考えると、
抵抗に流れる電流\(\displaystyle \dot{I_R}\)は、\(\displaystyle \dot{V}\)と同位相となる。
インダクタンスに流れる電流\(\displaystyle \dot{I_L}\)は、\(\displaystyle \dot{V}\)に対して90°遅れ位相となる。
コンデンサに流れる電流\(\displaystyle \dot{I_C}\)は、\(\displaystyle \dot{V}\)に対して90°進み位相となる。
ここで、\(\displaystyle \dot{I_L}\)の大きさは、
\(\displaystyle I_L=\frac{V}{Z_L}\)
また、\(\displaystyle \dot{I_C}\)の大きさは、
\(\displaystyle I_C=\frac{V}{Z_C}\)
共振条件より、\(\displaystyle Z_L=Z_C\)であるので、
\(\displaystyle I_L=I_C\)
電源電流\(\displaystyle \dot{I}\)は、各RLCに流れる電流のベクトル和となるので
\(\displaystyle \dot{I}=\dot{I_R}+\dot{I_L}+\dot{I_C}=\dot{I_R}\)
(\(\displaystyle \dot{I_L}\)と\(\displaystyle \dot{I_C}\)は逆向きで同じ大きさなので打ち消しあう)
電流Iの大きさは、
\(\displaystyle I=I_R=\frac{V}{R}\text{[A]}\)
以上より
LとCのそれぞれには、
\(\displaystyle I_L=\frac{V}{Z_L}\)と\(\displaystyle I_C=\frac{V}{Z_C}\)の電流が流れる。
LとCに流れる電流を合わせて測定すると、
\(\displaystyle \dot{I_L}+\dot{I_C}=0\)となる。
(c)上記解説(a)及び(b)より、直列RLC共振回路と並列RLC共振回路の電源に流れる電流Iは、ともに
\(\displaystyle I=\frac{V}{R}\text{[A]}\)
となり、等しい。
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