解答
(a):(4)が正しい
(b):(2)が正しい
解説
三相3線式1回線の専用配電線がある。変電所の送り出し電圧が6600V、末端にある負荷の端子電圧が6450V、力率が遅れの70%である。
ただし、電線1線当たりの抵抗は0.45Ω/km、リアクタンスは0.35Ω/km、線路のこう長は5kmとする。
(a)この負荷に供給される電力\(P_1\)の値[kW]を求める。
電線1線当たりの抵抗をRΩ、リアクタンスをXΩ、力率をcosθ、負荷電流をIとすると、電線1線当たりの電圧降下\(V_l\)は
\(\displaystyle V_l=IR\cos\theta+IX\sin\theta\)[V]
\(\displaystyle =2.25I\times0.7+1.75I\times\sqrt{1^2-0.7^2}\)
\(\displaystyle =\frac{6600}{\sqrt3}-\frac{6450}{\sqrt3}\)
\(\displaystyle =86.6\)[V]
\(\displaystyle ∴1.575I+1.25I=86.6\)
\(\displaystyle ∴I=30.66\)[A]
負荷の端子電圧は6450V、力率は遅れ0.7であるので、
\(\displaystyle P_1=\sqrt3VI\cos\theta\)
\(\displaystyle =\sqrt3\times6450\times47.45\times0.7\)
\(\displaystyle =239727\)[W]
したがって、\(P_1\)の値は240[kW]となる。
(b)負荷が遅れ力率80%、\(P_2\)[kW]に変化したが線路損失は変わらなかった。\(P_2\)の値[kW]を求める。
線路損失は変わらないので、流れる電流は変化していない。したがって負荷電流は
\(I_2=30.66\)[A]
負荷電流を\(I_2\)、電線1線当たりの電圧降下を\(V_{l2}\)とすると、
\(\displaystyle V_{l2}=I_2R\cos\theta’+I_2X\sin\theta’\)[V]
\(\displaystyle =2.25\times30.66\times0.8+1.75\times30.66\times\sqrt{1^2-0.8^2}\)
\(\displaystyle =87.381\)[V]
電線1線当たりの電圧降下を相間電圧に換算すると、その端子電圧\(V_{2}\)は
負荷電圧\(V_{2}=6600-\sqrt3V_{l2}=6449\)[V]
前問より、線路損失\(P_l=3 V_l I\cos\theta=3\times 86.6\times30.66\times 0.7=5575.8\)[W]
負荷電力\(P_2\)は
\(\displaystyle P_2=\sqrt3 V_2I_2\cos\theta=\sqrt3\times6449\times30.66\times0.8=273978\)[W]
したがって、\(P_2\)の値は274[kW]となる。
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