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電験2種合格体験記

2024年6月15日

 電験2種取得までの、学習方法、学習時間、葛藤、参考図書などを綴っています。
これからの取得を目指す方や、現在学習中の方の励みになれば幸いです。ここに書いた学習時間が必ずしも必要ではなく、各々の電気知識有無に大きく左右されると思いますので参考程度に気楽に読んでみてください。

 運よく一発合格を果たしましたが、電験2種取得を決意してからの通算学習期間は、(約20年前の電験3種取得知識のもと、14年以上の電気設備管理業務経験を経たうえで)2年間でした。

現在挑戦中の1種について↓

目次

電験2種取得を決意した時点の知識・経験

 学生時代20歳で電験3種を取得。このときは、3年間かけて科目合格(初年理論・機械合格、翌年電力合格、翌々年法規合格)。電気専攻のため、修学内容が試験勉強と直結していた。
 22歳で就職。大手製造メーカーの電気設備管理業務に14年間従事。弱電~強電までの電気設備機器の取扱いを直接行っていた。

電験2種取得を決意した理由

 電気設備管理の仕事に就き、電験3種で得た知識が直接役立つ業務内容…入社数年までは、2種、1種と取得してみたいと思っていた…気がする。
 あれよあれよと年月は経ち気付けば十余年…家族を持ち、仕事には慣れ、部下がつき、何となくでも業務はこなせる、周囲にはそれなりに頼られ、それこそ、それなりにやっている。

 いや、これでいいのか?仕事への不満ももちろんあり、転職する?(中略)転職を考えたときに履歴書に書けることがない…30代半ばで電験3種持ちだけでは弱い…

 再エネ(メガソーラ)需要の高まりもあって、転職時の応募条件に「電験2種」がちらほら。ここへきて社会の荒波にさらされることになるとは…

 ということで「履歴書に箔をつける」こと(転職条件を有利にする)を目的に電験2種を取得する決意をしたのであった。

 電験2種取得を決意した…などとカッコよく書いていますが、受かればラッキー定年までに取れれば…くらいの気持ちで取り組んでいました。お尻に火がついたのは1次試験合格してからです。

1次試験までの学習方法

2020年 11月頃~

 電験3種取得から20年弱経過しており、ブランクは思っていた以上に大きい。手始めに3種の過去問を解くことからはじめたが、それを解くこともおぼつかない状況…
 とりあえず、1日に1問、解くか解かないかのペースでダラダラと継続。モチベーション維持のためにブログに記録を開始。(そのせいで余計にペースは遅い)

2021年6月某日

 約1年弱の3種過去問学習を経て、どうしよう…この状況で2種にチャレンジできるだろうか?
迷っているうちに試験申し込み期限を過ぎてしまった…更に1年間、3種過去問をダラダラと解き続ける…(どちらかというとブログに過去問をアップしていくことが楽しかった)

2022年6月某日

 今年受けないといつ履歴書に書ける??科目合格目標で、3年若しくは4年越しの取得計画なのだよ??
いつやるの?今でしょ!申し込み!ぽちっ

 ここで初めて、電験2種1次の過去問にとりかかり愕然。3種と2種1次では出題形式が大きく違うことが判明…
特に、機械、電力、法規には計算問題がほぼない。。。3種の問題にはいっぱいあったのに!
 そして、2種2次に計算問題がてんこ盛り。1次試験では計算問題は免除してやるから、おまえら2次試験でじっくり計算させてやるぞ~…という声が聞こえてきそう。

 とにかく、申し込んだ以上は精一杯取り組もう…お金がもったいないし。ということで、2種1次の過去問に専念して2か月半、ついに初挑戦。

 1次試験受験体験記(試験中の心の叫び)は下の記事にまとめています。

電験2種1次試験(令和4年度/2022年度)自己採点結果

 試験当日に自己採点実施!

  理論 73点
  電力 79点
  機械 69点
  法規 78点

 合格点は90点満点中の60%以上なので、54点以上で合格なので、合格?!

1次試験学習方法まとめ

 2種の1次試験対策は、3種の過去問題をひたすら取り組むことで問題ありません。むしろ、2種1次試験より、3種試験のほうが計算問題が多い分難しいです。3種には基本的な問題が多いため、一つ一つをしっかり理解しながら丁寧に解いていくことで、必然的に2種対策になります。
 ただ、2種1次試験には、3種よりは一歩立ち入った知識を要求されるものもあるため、2種の過去問にもしっかり取り組んでおく必要があります。

 電験2種の本丸は2次試験であるので、1次対策でしっかりと基礎を固めておかなければなりません。

2次試験の学習方法

 一発1次突破は全くの想定外だったため、完全に学習計画が狂った!
科目合格からの、残り科目学習しつつ、2次試験を着々と進める…という当初の学習イメージは完全に崩れ去った

 1次試験受験の翌日から2次試験学習が始まった。
学習可能期間2か月半強。。家族の協力得て、できる限り全ての時間を電験に捧げる…(泣)

作戦会議

 2次試験対策は、ここまで皆無だったため、短期決戦の一夜漬け学習方法をするしかない…とにかく作戦(学習計画)を練らなければ。

 困ったときは、先人の知恵を借りるのが一番…「敵を知り、己を知 れば百戦危うからず」by孫子

敵を知る

 google先生への問い合わせ、諸先輩方がどのように2次試験対策を行ったかを徹底調査実施。

 続いて、2種2次試験の10年分過去問流し読み調査(試験センターで過去問閲覧可能)を実施。

分かったこと(作戦)

 電力管理については、計算問題メインだが、3割以上は記述問題がでる。
計算問題を解ける前提で、記述問題(範囲は広大で、絞り込みは不可)も頑張る!記述問題は、実務知識と1次試験学習でのうろ覚え知識の集大成を出し切るしかない!

 機械制御については、計算オンリー!記述がある年もあるが稀!計算に全集中で作戦決定!

己を知る

この時点での2次試験合格確率は…0%!

なんせ、2次試験に対する学習は一切しておりません。1次試験理論の計算問題に関しては、学生時代知識を回顧しながら、再学習で何とか乗り切れたが…

2次試験相当の計算力は皆無。学生時代習った?のかもしれないが、一切の記憶になし。

2次試験の記述問題は、一次知識と実務知識で内容によっては回答可能だが…現時点で、合格を狙えるレベルにない…

まずは対策本参考書を一周する

電験2種を学習するにあたって使用していた完全マスターシリーズを使用。
1次と2次両対応のため、2次問題も掲載されている。

1次受験までは2次問題は完全スルーしていたが、こんなに早く取り組むことになるとは…

1周目…(計算問題のみ)

まさしく、苦行…全てが初見問題で…1問ずつが、重い…
理解しながら取り組むと…さらに時間がかかる…

本当にこの問題集を信じてよいのだろうか?
間違った道を歩いているのでは?
信じて進むしかない。。

過去問に取り組む

同時並行で過去問にも取り組む。1日1問のペース。

途中で、このペースでは、過去問10年分やるのに
学習期間の2か月半全てを使い切ることに気づき…

少しペースアップ。

5年分ほど実施したところで、残りの5年分は実戦形式に変更。時間内に問題を選択し、解く!

ここで、驚愕!時間がないっ!特に機械制御は完答できる問題も、時間が足りていない!

「瞬発力で解く!」を肝に銘じて学習スタンスを変更。

一次試験結果が届く

合格!!!!!!ですよね。。。。はい、勉強頑張ります。

この時点での合格確率…20%(全部のヤマが当たれば合格できる?)

底知れぬ絶望感に浸るしかない。受からなければよかったなどという後ろ向きな考えも浮かんだり。

残り1か月強!

参考書を買い足し

完全マスターシリーズ1周後、10年分過去問との出題形式が大きく違うことに打ちひしがれる。
(過去問の出題形式は分野横断的であり、難しく感じる。一方完全マスターはそれぞれが単元ごとの基本問題で過去問の各小問題に相当する)

この参考書では不十分なのでは?と感じたため計算特化の参考書を買い足し。
「電験二種 計算問題の完全対策」

時間がなく、複数冊はこなせない為、一冊にまとまっている上記をメルカリでゲット。

浮気参考書で2周目?開始。

浮気参考書で感じたこと

完全マスター(1周目)と同じ、オーム社出版のためか、同じ問題が結構ある。。
が、同じ問題(2周目)が解けない。焦る

また、この「電験二種 計算問題の完全対策」が初版のためなのか、
間違い、脱字が結構ある。おまけに解説、計算導出が分かりにくい。(自分とは合わない)

何とか1周完了。浮気2周目のためか、完全マスター1周目よりは速く終わった。。

完全マスターシリーズはなかなか優秀だと実感させられた。。疑ってゴメン。
「電験二種 計算問題の完全対策」の2周目に取り組む日は来ないだろう。。

機械制御のパワエレを捨てる

浮気2周目に取り組んだ時点で、パワエレは捨てて問題を飛ばした。

理由は、過去問をやって手に負えなかったから。

完全マスター1周目をやっていた時点では、分かればラッキーだから少しでも得点源として知識を入れておいたほうがいいかも、と思ってた。じっくり考えれば解ける問題もあった。

が、本番は、時間がない!考える時間がない!問題見たらすぐ手が動かないと得点にならない!
パワエレやる時間があったら、他のことやったほうがいい。

完全マスター2周目

浮気2周目があったから、実質3周目?だったので、ここへきて、解ける問題がでてきた。
問題を解く、コツもつかめてきた。少し、ホッとした。

しかし、やはり、過去問で打ちのめされる。

同時並行で10年分過去問2周目(実践形式)

1周目前半はダラダラ問題を解くだけだったので、2周目は完全に本番と同じ時間で実施した。

2周目なのに、正解しない。焦る。

時間が足りない。焦る。

完全に当たり年、はずれ年がある。(現時点の実力で解けるか解けないか)

機械制御の「自動制御」では、参考書に一切無い問題がある。
既往問題でない単発の難しい問題ではなく、既往(少なくとも10年で2回は出題)なのに
参考書に載ってないから良くわからない。
※ボード線図を描く問題(進み位相制御、やら遅れ位相制御やら)

ここは、図書館で別の参考書を見て知識を補完。

完全マスター3周目(仕上げ)

3周目は、筆記問題もやる!で取り組んだ。1次試験の問題も論説に関係ありそうなら、解いた。

時間がないので、分かる問題は、飛ばした。ただし、計算練習になりそうな箇所はやった!計算物量がただただ多いものは飛ばし、解き方を理解した。

過去問3周目(仕上げ)

機械制御の自動制御を10年分実施。(※1年は未実施、理由は行列式で意味不明だから、本番で絶対に選択しない)

30分以内に解くための時間感覚と、問題を見て「実施」or「撤退」判断をできるように訓練した。

自動制御は解き方が分かれば(既往問題)、確実な得点源(毎年必ず出題)だが、一度手をつけたら途中撤退は難しい(致命傷)になる。時間がないから。

電力管理は、頻出既往問題や苦手(だけど解ける)をつまみ食い実施した。

ラスト1週間

論説問題に集中。公式復習。計算問題解き方復習、頻出で誤答率高い計算問題を復習。コロナにならないよう、家庭内でもマスク。早寝早起き(本番朝と同じ時間に起床)。

2次対策総学習時間(1次~2次の2か月半強)

約300時間弱だったろうか?

平日

朝勉強1時間、昼休憩30分、帰宅後1時間、就寝前1-2時間(残業等でできないときも間々あった)
家族の協力なしには、無理です。

休日

朝勉強1時間、昼勉強1-2時間、夕方1時間、就寝前1-2時間
意外と、平日と時間が変わらない。気分転換含め、家族サービスやらなんやらでなかなか机に向かえないものです。

 2次試験受験体験記(試験中の心の叫び)は下の記事にまとめています。

2次試験自己採点結果

電力管理~74点(問5選択ミスの場合~59点)
機械制御 50点くらい

電力・管理:120点、機械・制御:60点 合計180点。
二次試験の合格点は、108点以上/180点満点(100 点満点換算で60点以上)。

足きりラインは各科目平均点であり、平均点は合格点より低いはずなので
電力管理の合格点は72点、平均点は50%の60点と仮定
機械制御の合格点は36点、平均点は50%の30点と仮定

機械制御→合格点以上
電力管理→選択ミスなければ平均以上?選択ミスで平均以下?
合計→選択ミスなければ~124点?選択ミスで~109点?

激アマ自己採点ではありますが、合格できていれば選択ミスなし。
不合格なら、選択ミスしてたことになる…←あほあほ!ほんとうに悔やまれるゾ

悶々としたスキマ期間

受かってれば1種に取り組みたい、だめなら2種に励みたい。

自分を信じて1種にとりあえずとりかかる。

1種過去問を一日1問目標に。すこし休憩です。。2か月半疲れた…

実際、色々な理由をつけて毎日1問できていません。。

2次試験結果

2023年1月27日、HPで受験番号合否確認…「合格者一覧にあります」

見事!合格を果たしました。

全く実力を伴わない、…合格発表時現在でもう2次の問題は解けないところまで知識後退している状態ですので、実力を更に付ける意味もこめて、1種への挑戦をしていきます。

2次試験学習方法まとめ

 2種の過去問題を、実際の試験時間で解くことは必須です。実際の試験では、とにかく時間がありません。

 自分の場合は、機械制御のパワエレは捨て、参考書や過去問の計算問題をできる限り何周も解きました。問題を見た瞬間に、解答方法が浮かぶ瞬発力が身につくまで何度も周回が必要です。

 記述問題は、分野が幅広いため、特別に対策は行わず、学習過程で身についた知識を記述できるように過去問ベースで練習しました。記述問題は当たりはずれが運しだいだと思います。

 電験2種の2次試験対策は、計算に始まり、計算に終わる。

2次試験学習方法の考察

 1種の2次試験に取り組みながら思うこと。参考書過去問を周回したことは無駄ではなかったが、時間が無い中では良い方法とは言えなかった。時間が無い(準備期間2か月強)であれば兎に角、過去問を解き込むことだ。実戦形式に慣れること。実際に時間を測って取り組むこと。わからない頻出傾向に出会ったときに参考書を開けばそれでよい。