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電験2種過去問【2019年機械 問1】

2022年8月9日

【誘導機】誘導電動機の回転磁界《空所問題》

 次の文章は、誘導電動機に関する記述である。文中の\fbox{空所欄}に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
 三相誘導電動機の一次巻線に三相交流電源を接続すると回転磁界が発生する。回転磁界と回転子の回転速度に差があると、回転子の二次巻線に\fbox{(1)}が流れ、回転磁界との間でトルクが生じる。このとき、発生するトルクは、回転磁界と回転子の回転速度の差を\fbox{(2)}方向に働く。
 二極機のギャップに生じる磁束密度分布を正弦波状と仮定し、回転角速度をωとすると、任意の位置θで観測される磁束密度は、
 B(\theta,t)=B_m\cos(\theta -\omega t) …①
と表すことができる。ただし、B_mは最大磁束密度である。①式は、\theta =\fbox{ (3)}の位置に最大磁束密度B_mが現れることを示している。
 一方、二極の純単相誘導電動機の磁束密度分布は、
 B'(\theta,t)=B’_m\cos(\theta)\cos(\omega t) …②
と表せる。この場合、\theta =\fbox{ (4)}の位置で最大値となる正弦波状\cos(\theta)の磁束密度分布となり、その大きさは\cos(\omega t)で変化する。このような磁束は、回転磁界に対して、交番磁界と呼ばれる。②式を書き換えると、磁束密度分布は、
 
\displaystyle B'(\theta,t)=\frac{B’_m}{2}\cos(\theta -\omega t)+\fbox{(5)} …③
と二つの成分の和で表すことができる。③式の第1項は①式と同じ方向に回転する回転磁界であり、第2項はそれとは逆向きに回転する回転磁界である。

[問1の解答群]

\small{\begin{array}{ccc} (イ)&減少させる&(ロ)&維持する&(ハ)&0\\ (ニ)&\displaystyle \frac{B’_m}{2}\cos(\theta +\omega t)&(ホ)&\displaystyle \frac{B’_m}{2}\sin(\theta +\omega t)&(ヘ)&\displaystyle\frac{2\pi}{3}\\ (ト)&漏れ電流&(チ)&\displaystyle\frac{\pi}{2}&(リ)&-\omega t\\ (ヌ)&\omega t&(ル)&2\omega t&(ヲ)&励磁電流\\ (ワ)&誘導電流&(カ)&増加させる&(ヨ)&\displaystyle \left[-\frac{B’_m}{2}\cos(\theta +\omega t)\right]\\ \end{array}}

解答と解説はこちら

解答

\small{\begin{array}{cc} \hline(1)&(ワ)&誘導電流\\ \hline(2)&(イ)&減少させる\\ \hline(3)&(ヌ)&\omega t\\ \hline(4)&(ハ)&0\\ \hline(5)&(ニ)&\displaystyle \frac{B’_m}{2}\cos(\theta +\omega t)\\ \hline\end{array}}

解説

 三相誘導電動機の一次巻線に三相交流電源を接続すると回転磁界が発生する。回転磁界と回転子の回転速度に差があると、回転子の二次巻線に\fbox{(ワ)誘導電流}が流れ、回転磁界との間でトルクが生じる。このとき、発生するトルクは、回転磁界と回転子の回転速度の差を\fbox{(イ)減少させる}方向に働く。
 二極機のギャップに生じる磁束密度分布を正弦波状と仮定し、回転角速度をωとすると、任意の位置θで観測される磁束密度は、
 B(\theta,t)=B_m\cos(\theta -\omega t) …①
と表すことができる。ただし、B_mは最大磁束密度である。①式は、\theta =(ヌ)\omega tの位置に最大磁束密度B_mが現れることを示している。
 一方、二極の純単相誘導電動機の磁束密度分布は、
 B'(\theta,t)=B’_m\cos(\theta)\cos(\omega t) …②
と表せる。この場合、\theta =\fbox{(ハ)0}の位置で最大値となる正弦波状\cos(\theta)の磁束密度分布となり、その大きさは\cos(\omega t)で変化する。このような磁束は、回転磁界に対して、交番磁界と呼ばれる。②式を書き換えると、

\displaystyle \frac{B’_m}{2}\cos(\theta -\omega t)=\frac{B’_m}{2}\cos(\theta)\cos(\omega t)+\frac{B’_m}{2}\sin(\theta)\sin(\omega t) …a

\displaystyle \frac{B’_m}{2}\cos(\theta +\omega t)=\frac{B’_m}{2}\cos(\theta)\cos(\omega t)-\frac{B’_m}{2}\sin(\theta)\sin(\omega t) …b

加減定理を用いて、a+bより、磁束密度分布は、

 \displaystyle B'(\theta,t)=\frac{B’_m}{2}\cos(\theta -\omega t)+(ニ)\displaystyle \frac{B’_m}{2}\cos(\theta +\omega t) …③

と二つの成分の和で表すことができる。③式の第1項は①式と同じ方向に回転する回転磁界であり、第2項はそれとは逆向きに回転する回転磁界である。