電験2種過去問【2020年機械 問5】
【変圧器】変圧器の一次巻線に流れる電流と誘導起電力《空所問題》
次の文章は、変圧器における誘導起電力と磁束に関する記述である。文中の\fbox{空所欄}に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
一次及び二次巻線を施した環状鉄心において、一次巻線の巻数をN_1とする。二次巻線を開放したまま、一次巻線に供給電圧として角周波数\omega,実効値V_1の交流電圧v_1(t)=\sqrt{2}V_1\sin\omega tを加えると、この巻線に流れる\fbox{(1)}電流i_0は、巻線の抵抗及び鉄損を無視すれば、次式で表される。
\displaystyle i_0(t)=\frac{\sqrt{2}V_1}{Z}\sin\left(\omega t-\frac{\pi}{2}\right) …①
ここで、Zは一次巻線のインピーダンスである。
磁気回路の長さをl、断面積をA、透磁率をμ(一定)と仮定すれば、この電流i_0によって鉄心中に生じる交番磁界φは\fbox{(2)}を磁気抵抗で除すことで求められ、
\displaystyle \phi(t)=\frac{N_1\mu A}{l}i_0(t) …②
①及び②式から、
\displaystyle \phi(t)=\Phi_m\sin\left(\omega t-\frac{\pi}{2}\right) …③
ここで、\Phi_mは\phi(t)の最大値であり、\Phi_m=\fbox{(3)}である。
その結果、一次巻線に誘導起電力e_1が発生するが、e_1は\phiの変化を妨げる方向に誘導されたとすると、次の関係式が成り立つ。
\displaystyle v_1(t)=-e_1(t)=N_1\frac{d\phi(t)}{dt} …④
③及び④式から、e_1(t)は次式となる。
e_1(t)=\sqrt2E_1\sin\omega t
ただし、E_1はe_1(t)の実効値であり、周波数をfとすると次式となる。
E_1=\fbox{(4)}fN_1\Phi_m
実際の電力用変圧器においては、鉄心の\fbox{(5)}特性とヒステリシス特性が含まれるため、鉄心の磁気特性は非直線性になり、巻線に正弦波電圧を加えたとしても電流i_0は高調波成分を含んだひずみ波となる。
[問5の解答群]
\small{\begin{array}{ccc} (イ)&起磁力&(ロ)&\displaystyle\frac{\sqrt2}{\pi}&(ハ)&\displaystyle\frac{\sqrt2N_1}{\omega V_1}\\ (ニ)&磁区&(ホ)&\displaystyle\frac{\sqrt2V_1}{\omega N_1}&(ヘ)&磁化力\\ (ト)&\displaystyle\frac{\omega N_1}{\sqrt2V_1}&(チ)&誘導&(リ)&励磁\\ (ヌ)&渦電流&(ル)&飽和&(ヲ)&\sqrt2\pi\\ (ワ)&2\pi&(カ)&負荷&(ヨ)&鎖交磁束\\ \end{array}}
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