// google adsence用 電験2種過去問【2017年電力 問6】 | 電気主任技術者のいろは

電験2種過去問【2017年電力 問6】

2022年5月19日

【変電所】単位法に関する記述《空所問題》

 次の文章は、単位法に関する記述である。文中の\(\fbox{空所欄}\)に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。
 電力系統では定格の異なる多くの機器や線路が接続されている。単位法では、これらの機器などの定数が統一的に記述されるので、取り扱いが容易となる。三相回路の場合には、線間電圧\(V_B\)[V]と三相容量\(P_B\)[V・A]を基準にとると、基準相電流\(I_B\)[A]と基準インピーダンス\(Z_B\)[Ω]は次式となり、インピーダンスZ[Ω]の単位法での値\(Z_{Bpu}\)[p.u.]は①式のように表される。
 \(I_B=\)\(\fbox{(1)}\)[A] 
 \(Z_B=\)
\(\fbox{(2)}\)[Ω] 

 \(\displaystyle Z_{Bpu}=\frac{Z}{Z_B}\)[p.u.] ……①

 多くの電力機器の単位法でのインピーダンスは、機器の定格電圧と定格容量を基準として与えられる。この基準でのインピーダンスは、発電機や変圧器では定格容量や定格電圧によらずほぼ一定値となるので、定数の入力間違いなどの確認に便利である。たとえば、タービン発電機では、直軸過渡リアクタンスはほぼ\(\fbox{(3)}\)p.u.の間になる。
 また、変圧器で接続された系統では、2次側のオーム値で表現されたインピーダンス\(Z_2\)[Ω]を、1次側に換算したインピーダンス\(Z_{2(1)}\)[Ω]にするには、変圧比(1次側\(n_1\)、2次側\(n_2\))に応じた換算が②式のように必要である。
 \(Z_{2(1)}=\)\(\fbox{(4)}\)\(Z_{2}\)[Ω] ……②
 一方、単位法では、一般に基準電圧として定格電圧が選ばれるので、基準容量が同じであればインピーダンス換算は必要ではない。ただし、異なった容量を基準とした単位法では、容量に応じた換算が必要であり、容量\(P_B\)[V・A]を基準とした単位法でのインピーダンス\(Z_{Bpu}\)[p.u.]は、容量\(P_{R}\)[V・A]を基準とした単位法でのインピーダンス\(Z_{Rpu}\)[p.u.]を用いて③式により求められる
 \(Z_{Bpu}=\)\(\fbox{(5)}\)\(Z_{Rpu}\)[p.u.] ……③

[問6の解答群]

\(\small{\begin{array}{ccc}
(イ)&\displaystyle\frac{V_B^2}{\sqrt3P_B}&(ロ)&\displaystyle\frac{P_B}{V_B}&(ハ)&\displaystyle\frac{P_B}{\sqrt3V_B}\\
(ニ)&0.2~0.4&(ホ)&\displaystyle\frac{\sqrt3V_B^2}{P_B}&(ヘ)&\displaystyle\frac{V_B^2}{P_B}\\
(ト)&\displaystyle\left(\frac{P_B}{P_R}\right)^2&(チ)&\displaystyle\frac{\sqrt3P_B}{V_B}&(リ)&\displaystyle\frac{P_R}{P_B}\\
(ヌ)&\displaystyle\left(\frac{n_1}{n_2}\right)^2&(ル)&\displaystyle\frac{P_B}{P_R}&(ヲ)&1.5~2.0\\
(ワ)&0.05~0.15&(カ)&\displaystyle\left(\frac{n_2}{n_1}\right)^2&(ヨ)&\displaystyle\frac{n_2}{n_1}\\
\end{array}}\)

解答と解説はこちら

解答

\(\small{\begin{array}{cc}
\hline(1)&(ハ)&\displaystyle\frac{P_B}{\sqrt3V_B}\\
\hline(2)&(ヘ)&\displaystyle\frac{V_B^2}{P_B}\\
\hline(3)&(ニ)&0.2~0.4\\
\hline(4)&(ヌ)&\displaystyle\left(\frac{n_1}{n_2}\right)^2\\
\hline(5)&(ル)&\displaystyle\frac{P_B}{P_R}\\
\hline\end{array}}\)

解説

パーセントインピーダンスに関する記述である。

 電力系統では定格の異なる多くの機器や線路が接続されている。単位法では、これらの機器などの定数が統一的に記述されるので、取り扱いが容易となる。三相回路の場合には、線間電圧\(V_B\)[V]と三相容量\(P_B\)[V・A]を基準にとると、基準相電流\(I_B\)[A]と基準インピーダンス\(Z_B\)[Ω]は次式となり、インピーダンスZ[Ω]の単位法での値\(Z_{Bpu}\)[p.u.]は①式のように表される。
 \(I_B=\)(ハ)\(\displaystyle\frac{P_B}{\sqrt3V_B}\)[A] 
 \(Z_B=\)(ヘ)\(\displaystyle\frac{V_B^2}{P_B}\)
[Ω] 

 \(\displaystyle Z_{Bpu}=\frac{Z}{Z_B}\)[p.u.] ……①

 多くの電力機器の単位法でのインピーダンスは、機器の定格電圧と定格容量を基準として与えられる。この基準でのインピーダンスは、発電機や変圧器では定格容量や定格電圧によらずほぼ一定値となるので、定数の入力間違いなどの確認に便利である。たとえば、タービン発電機では、直軸過渡リアクタンスはほぼ\(\fbox{(ニ)0.2~0.4}\)p.u.の間になる。
 また、変圧器で接続された系統では、2次側のオーム値で表現されたインピーダンス\(Z_2\)[Ω]を、1次側に換算したインピーダンス\(Z_{2(1)}\)[Ω]にするには、変圧比(1次側\(n_1\)、2次側\(n_2\))に応じた換算が②式のように必要である。
 \(Z_{2(1)}=\)(ヌ)\(\displaystyle\left(\frac{n_1}{n_2}\right)^2\)\(Z_{2}\)[Ω] ……②
 一方、単位法では、一般に基準電圧として定格電圧が選ばれるので、基準容量が同じであればインピーダンス換算は必要ではない。ただし、異なった容量を基準とした単位法では、容量に応じた換算が必要であり、容量\(P_B\)[V・A]を基準とした単位法でのインピーダンス\(Z_{Bpu}\)[p.u.]は、容量\(P_{R}\)[V・A]を基準とした単位法でのインピーダンス\(Z_{Rpu}\)[p.u.]を用いて③式により求められる
 \(Z_{Bpu}=\)(ル)\(\displaystyle\frac{P_B}{P_R}\)\(Z_{Rpu}\)[p.u.] ……③