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電験3種過去問【2014年機械 問4】

【誘導機】三相かご形誘導電動機の電流計算《計算問題》

 一般的な三相かご形誘導電動機がある。 
 出力が大きい定格運転条件では,誘導機の等価回路の電流は,「二次電流≫励磁電流」であるから,励磁回路を省略しても特性をほぼ表現できる。さらに,「二次抵抗による電圧降下≫その他の電圧降下」となるので,一次抵抗と漏れリアクタンスを省略しても,おおよその特性を検討できる。
 このような電動機でトルク一定負荷の場合に,電流100Aの定格運転から電源電圧と周波数を共に10%下げて回転速度を少し下げた。このときの電動機の電流の値[A]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 (1) 80 (2) 90 (3) 100 (4) 110 (5) 120


「出典:平成26年度第三種電気主任技術者試験(機械)」

解答と解説はこちら

解答

(3)が正しい

解説

 三相かご形誘導電動機の簡易等価回路に関する問題です。しっかり理解しておけば、このような変化球のような問題にも対応できます。

 題意より,簡易等価回路( 1 相分)は二次抵抗 \(\frac{r_2′}{s}\) [Ω] のみとなる。この二次抵抗に,当初の電源電圧 V [V](相電圧)が印加されている。定格運転時,回路に流れる電流 \(I_2’=100\) A であるので,この回路の二次入力(同期ワット) \(P_2\) [W] は,
  \(P_2=3VI_2’\)
トルクは,当初の同期回転速度 \(n_s\) [min-1] と同期ワットで下式で表される。

\(\ \ \ \displaystyle T= \frac{60}{2 \pi n_s} P_{2}[N・m]\\ \\ \)

 負荷トルク T が一定のまま,電源電圧と周波数を共に10%下げて回転速度を少し下げたときの電動機の電流の値を \(I_2’’\)[A]とすると,同期回転速度 \(n_s\) [min-1] は電源周波数に比例するので

\(\ \ \ \displaystyle T= \frac{60}{2 \pi n_s} 3VI_2’= \frac{60}{2 \pi (0.9n_s)} 3(0.9V)I_2’’\\ \ \ ∴I_2’’=I_2’=100[A]\\ \)


追加学習は三相誘導電動機の各種特性

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