パーセントインピーダンスについて
単位法でのインピーダンスの取扱いについて詳しく知る
単位法でのインピーダンスを系統全体の基準容量に合わせる理由
電力系統は、その途中に様々な容量の変圧器(機器)を挟んで異なる電圧階級の系統がつながれている。このような系統では、系統全体の機器を統一の容量(基準容量)に換算して単位法を用いることにより、統一的な方法で計算処理することができる。
※複雑な回路網から、無次元の回路網定数を得て、計算できる。
基準容量に統一した単位法でのインピーダンスを用いるて、例えば、ある点での短絡電流を算出たい場合を考える。ある点に基準電流(基準容量での定格電流)が流れたとすると、系統内のさまざまな基準電圧階級の機器(基準容量に統一されたもの)にも、それぞれの基準電流(基準容量でのそれぞれの定格電流)が流れる。つまり、単位法での基準電流は系統内の機器に直列に流れているとみなすことができ、オームの法則を扱うように計算処理することができる。
単位法でのインピーダンスが基準容量に比例する理由
容量\(P_{BO}\)[V・A]を基準とした単位法でのインピーダンス\(Z_{BOpu}\)[p.u.]を用いて、基準容量\(P_{BN}\)[V・A]での単位法でのインピーダンス\(Z_{BNpu}\)[p.u.]へ換算するには、以下のようになる。
\(Z_{BNpu}=\displaystyle Z_{BOpu}\times\frac{P_{BN}}{P_{BO}}\)[p.u.]
これは、容量\(P_{BO}\)[V・A]を基準とした単位法でのインピーダンス\(Z_{BOpu}\)[p.u.]が以下で与えられるためである。ここで、インピーダンス\(Z\)[Ω]、基準線間電圧\(V_B\)[kV]は変化しないこととする。
\(\displaystyle Z_{BOpu}=\frac{P_{BO}Z}{V_B^2}\)
上式より\(Z_{BOpu}\)[p.u.]は容量\(P_{BO}\)[V・A]に比例するので、
\(\displaystyle Z_{BNpu}=Z_{BOpu}\times\frac{P_{BN}}{P_{BO}}\)
\(\displaystyle =\frac{P_{BO}Z}{V_B^2}\times\frac{P_{BN}}{P_{BO}}\)
\(\displaystyle =\frac{P_{BN}Z}{V_B^2}\)[p.u.]
\(Z_{BNpu}\)[p.u.]は、基準容量\(P_{BN}\)[V・A]での単位法でのインピーダンスに換算されていることが分かる。
単位法でのインピーダンスの定義からの考え方
ある基準値で単位法表示されたインピーダンスを別の基準値を用いて表す方法を考える。
もとの基準値の基準容量\(P_{BO}\)[V・A]、基準線間電圧\(V_{BO}\)[V]、基準電流\(I_{BO}\)[V]、基準インピーダンス\(Z_{BO}\)[Ω]、インピーダンス\(Z\)[Ω]とすると、単位法でのインピーダンス\(Z_{BOpu}\)[p.u.]は
\(\displaystyle Z_{BOpu}=\frac{Z}{Z_{BO}}=\frac{P_{BO}Z_{BO}}{V_{BO}^2}\)[p.u.] …①
新たな基準値の基準容量\(P_{BN}\)[V・A]、基準線間電圧\(V_{BN}\)[V]、基準電流\(I_{BN}\)[V]、基準インピーダンス\(Z_{BN}\)[Ω]、インピーダンス\(Z\)[Ω]とすると、単位法でのインピーダンス\(Z_{BNpu}\)[p.u.]は
\(\displaystyle Z_{BNpu}=\frac{Z}{Z_{BN}}=\frac{P_{BN}Z_{BN}}{V_{BN}^2}\)[p.u.] …②
上式を②÷①として整理すると
\(\displaystyle Z_{BNpu}=Z_{BOpu}\times\left(\frac{V_{BO}}{V_{BN}}\right)^2\times\frac{P_{BN}}{P_{BO}}\)[p.u.]
つまり、基準線間電圧を換算前後で同一とすると、容量\(P_{BO}\)[V・A]を基準とした単位法でのインピーダンス\(Z_{BOpu}\)[p.u.]を用いて、基準容量\(P_{BN}\)[V・A]での単位法でのインピーダンス\(Z_{BNpu}\)[p.u.]へ換算するには、以下のようになる。
\(Z_{BNpu}=\displaystyle Z_{BOpu}\times\frac{P_{BN}}{P_{BO}}\)[p.u.]
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