// google adsence用 電験3種過去問【2023年(下期)電力 問16】 | 電気主任技術者のいろは

電験3種過去問【2023年(下期)電力 問16】

2024年11月30日

【変電所】百分率インピーダンスでの短絡電流値計算とOCR整定《計算問題》

 図のような系統において,昇圧用変圧器の容量は30MV・A,変圧比は11kV/33kV,百分率インピーダンスは自己容量基準で7.8%,計器用変流器(CT)の変流比は400A/5Aである。系統の点Fにおいて,三相短絡事故が発生し,1800Aの短絡電流が流れたとき,次の(a)及び(b)の問に答えよ。
 ただし,CTの磁気飽和は考慮しないものとする。

(a) 系統の基準容量を10MV・Aとしたとき,事故点Fから電源側をみた百分率インピーダンスの値[%]として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1)5.6
(2)9.7
(3)12.3
(4)29.5
(5)37.0

(b) 過電流継電器(OCR)を0.09sで動作させるには,OCRの電流タップ値を何アンペアの位置に整定すればよいか,正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
 ただし,OCRのタイムレバー位置は3に整定されており,タイムレバー位置10における限時特性は図示のとおりである。

(1)3.0 A
(2)3.5 A
(3)4.0 A
(4)4.5 A
(5)5.0 A

解答と解説はこちら

解答

(a):(2)が最も近い。
(b):(4)が最も近い。

解説

(a) 系統の基準容量を10MV・Aとしたとき,事故点Fから電源側をみた百分率インピーダンスの値[%]を求める。

 F点の電圧は33kVであるので基準電圧VB [kV]を33kVとする。また系統の基準容量を10MVAとすると、基準電流IB [A]は
\(I_{B}=\frac{10}{\sqrt{3}V_B}\\=0.17495[kA]\)
事故点Fから電源側をみた百分率インピーダンスの値%Zは
\(%Z=\frac{174.95}{1800}\times 100\\=9.72[%]\)

(b) 過電流継電器(OCR)を0.09sで動作させるには,OCRの電流タップ値を何アンペアの位置に整定すればよいか求める。
 ただし,OCRのタイムレバー位置は3に整定されており,タイムレバー位置10における限時特性は図示のとおりである。

 1800Aの短絡電流が流れたとき、CT二次側に流れる電流 i₂ [A] は
\(i_{2}=1800\times\frac{5}{400}\\=22.5[A]\)
 OCRのタイムレバー位置は3に整定されており、タイムレバー位置10における限時特性図が与えられているので、題意の0.09s(タイムレバー位置3)をタイムレバー位置10での時間特性に逆換算すると、
\(0.09\times\frac{10}{3}\\=0.30[s]\)
となる。
 したがって、題意の限時特性図より、CTの二次電流がタップ整定電流の5倍のときに、0.30 s での動作となる。これは、タイムレバー位置3のときでは、二次電流がタップ整定電流の5倍のときに、0.09 s で動作することに相当する。
 よって、求める電流タップ値は
\(\frac{22.5}{5}=4.5[A]\)となる。

追加学習は変電所の学習帳

<<前問  次問>>