解答
(a):(3)が正しい。
(b):(4)が正しい。
解説
(a) 変圧器の電流を測定したところ、一次電流が 5 A、二次電流 Ia と Ib の比が2 : 3 であった。二次側低圧配電線路及び中性線における損失の合計値[kW]を求める。
変圧器の一次電圧は 6600 V、一次電流が 5 Aなので、この変圧器の入力P1は
P1 = 6600×5 = 33×10³ [VA]
変圧器2次側の負荷 A に対する2次電圧は110 Vで、電流はIaであるので、負荷 A に向かう変圧器出力P2Aは
P2A = 110Ia [VA]
同様にに、変圧器2次側の負荷 B に対する2次電圧は110 Vで、電流はIbであるので、負荷 B に向かう変圧器出力P2Bは
P2B = 110Ib [VA]
また、理想変圧器で損失は無視できるので、入力電力と出力電力は等しく
P1 = P2A + P2B
33×10³ = 110 ( Ia + Ib )
ここで、題意より
\(\displaystyle I_a=\frac{2}{3}I_b\)
であるので
\(\displaystyle 33\times 10^3=110(\frac{2}{3}I_b+I_b)\)
\(\displaystyle 33\times 10^3=110\times \frac{5}{3}I_b\)
\(\displaystyle I_b=180\)[A]
また、
\(\displaystyle I_a=\frac{2}{3}I_b=120\)[A]
Iaが流れる二次側低圧配電線路の損失Plaは、
Pla = Ia²×0.06 = 864 [W]
Ibが流れる二次側低圧配電線路の損失Plbは、
Plb = Ib²×0.06 = 1944 [W]
また、電流 Ib– Iaが流れる中性線の損失Plgは、
Plg = (Ib– Ia)²×0.06 = 216 [W]
したがって、損失の合計値は
Pla + Plb + Plg = 864+1944+216 = 3024 [W]
(b) 低圧配電線路の中性線が点 F で断線した場合に負荷 A にかかる電圧の値[V] を求める。
(a)の結果より、負荷 A 及び負荷 B の抵抗値を求める。
Iaが流れる二次側低圧配電線路の電圧降下Vlaは、
Vla = Ia×0.06 = 7.2 [V]
Ibが流れる二次側低圧配電線路の電圧降下Vlbは、
Vlb = Ib×0.06 = 10.8 [V]
また、電流 Ib– Iaが流れる中性線の電圧降下Vlgは、
Vlg = (Ib– Ia)×0.06 = 3.6 [V]
負荷 A の抵抗値は
\(\displaystyle R_A=\frac{110-7.2+3.6}{120}=0.887\)[Ω]
※Vlgの向きに注意
同様に、負荷 B の抵抗値は
\(\displaystyle R_B=\frac{110-10.8-3.6}{180}=0.531\)[Ω]
中性線が断線した場合、二次側電圧 220 V は、負荷 A 、負荷 B 及び二次側低圧配電線路の抵抗に分圧するので、負荷 A にかかる電圧の値は
\(\displaystyle V_A=220\times\frac{0.887}{0.06+0.887+0.531+0.06}\)
\(\displaystyle =126.9\)[V]
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