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電験3種過去問【2015年電力 問1】

2022年4月24日

【水力発電】理論水力の単位に関する記述《空所問題》

 水力発電所の理論水力Pは位置エネルギーの式からP=ρgQHと表される。ここでH[m]は有効落差、Q[m3/s]は流量、gは重力加速度=9.8m/s2、ρは水の密度=1000kg/m3である。以下に理論水力Pの単位を検証することとする。なお、Paは「パスカル」、Nは「ニュートン」、Wは「ワット」、Jは「ジュール」である。
 P=ρgQHの単位はρ,g,Q,Hの単位の積であるから、kg/m3・m/s2・m3/s・mとなる。これを変形すると、【(ア)】・m/sとなるが、【(ア)】は力の単位【(イ)】と等しい。すなわちP=ρgQHの単位は【(イ)】・m/sとなる。ここで【(イ)】・mは仕事(エネルギー)の単位である【(ウ)】と等しいことからP=ρgQHの単位は【(ウ)】/sと表せ、これは仕事率(動力)の単位である【(エ)】と等しい。ゆえに、理論水力P=ρgQHの単位は【(エ)】となるが、重力加速度g=9.8m/s2と水の密度=1000kg/m3の数値9.8と1000を考慮するとP=9.8QH[【(オ)】]と表せる。

 上記の記述中の空白個所(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)及び(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

  (ア) (イ) (ウ) (エ) (オ)
(1) kg・m Pa W J kJ
(2) kg・m/s2 Pa J W kW
(3) kg・m N J W kW
(4) kg・m/s2 N W J kJ
(5) kg・m/s2 N J W kW

解答と解説はこちら

解答

(5)

解説

 水力発電所の理論水力Pは位置エネルギーの式からP=ρgQHと表される。ここでH[m]は有効落差、Q[m3/s]は流量、gは重力加速度=9.8m/s2、ρは水の密度=1000kg/m3である。以下に理論水力Pの単位を検証することとする。なお、Paは「パスカル」、Nは「ニュートン」、Wは「ワット」、Jは「ジュール」である。
 P=ρgQHの単位はρ,g,Q,Hの単位の積であるから、kg/m3・m/s2・m3/s・mとなる。これを変形すると、(ア)kg・m/s2・m/sとなるが、(ア)kg・m/s2は力の単位(イ)Nと等しい。すなわちP=ρgQHの単位は(イ)N・m/sとなる。ここで(イ)N・mは仕事(エネルギー)の単位である(ウ)Jと等しいことからP=ρgQHの単位は(ウ)J/sと表せ、これは仕事率(動力)の単位である(エ)Wと等しい。ゆえに、理論水力P=ρgQHの単位は(エ)Wとなるが、重力加速度g=9.8m/s2と水の密度=1000kg/m3の数値9.8と1000を考慮するとP=9.8QH[(オ)kW]と表せる。

物体の質量をm[kg]、物体に加わる加速度をa[m/s2]とすると、物体にかかる力F=ma[N]となる。
物体のする仕事[J]は、力F[N]×移動量[m]であらわされる。
単位時間あたりの仕事(仕事率)は[J/s]で、単位は[W]であらわされる。