解答
(1)変電所機器・装置の定期点検は、一般的には、おおむね1~3年を点検周期とする点検(本問において「普通点検」という。)及びおおむね6~12年を点検周期とする精密な点検(本問において「精密点検」という。)に分けて行われている。その場合の普通点検及び精密点検のそれぞれの目的と具体的な内容を、違いが分かるように簡潔に述べよ。
定期点検は、日常の巡視点検の際に点検手入れが出来ず、かつ定期的に点検手入れの必要がある部分に対して行うもので、工具・測定試験器を適宜活用して点検を行い、必要に応じて補修を行う。
a 「普通点検」
機器・装置の機能確認・維持を目的として、主として外部から行う点検である。
機器・装置の運転又は停止状態において、各部の異常の有無についての点検、清掃及び測定器による内部診断、性能試験を行う。
b 「精密点検」
機器・装置の機能の維持・回復を目的として、主として分解して行う点検である。
機器・装置の停止状態において、分解し点検、清掃を実施した後、損傷、摩耗、その他異常部分の補修又は基準に基づく部品交換を行い、併せて測定器により更に詳細な内部診断、性能試験を行う。
(2)GISの設備診断のために、部分放電(絶縁材料の内部欠陥や表面の汚損などによって生じる微小な放電)を検出する技術が採用されている。部分放電を検出する方法として、電気的原理に基づくもの及びその他の原理に基づくものを一つずつ挙げ、それぞれその原理と具体的な方法を簡潔に述べよ。
a 電気的方法
以下のいずれかを挙げてあれば正解とする。
原理 部分放電により発生する電磁波や電圧・電流を検出する。
- 電磁波検出:GIS内部に設置したUHF内部電極やスペーサ埋め込み電極、スペーサの外側に取り付けるサーチコイルなどのセンサのほか、各種アンテナ(ダイポール、バイコニカル等)を使用して電磁波を検出する。
- 電圧検出:外被電極(箔状の金属電極)をタンク外側に取り付けて電圧を検出する。
- 電流検出:接地線CTをGISの接地線に接続して電流を検出する。面電流センサを使っても電流検出ができる。
以下のいずれかを挙げてあれば正解とする。
b 振動・音響法
原理 部分放電により発生するガス密度の振動や(超)音波を検出する。
振動加速度センサや超音波センサを用いて振動や音波を検出する。
c 分解生成ガスを用いた方法
原理 部分放電により発生する分解生成ガスの有無や種類を検出する。
ガスチェッカ(呈色反応試薬)を用いて分解生成ガスの有無を調べたりガスクロマトグラフィーを用いてガスの種類や濃度を調べる。
d 光を利用した方法
原理 部分放電による発光を検出する方法
光電子増倍管(PMT)やフォトダイオードを用いて放電光を検出する。蛍光ファイバによっても発光を検出できる。
解説
なし
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