電験頻出の最小値を求めるパターン
電験の問題では、最大値(分母の最小値)を求める問題で、好んでこのパターンが使用されます。覚えておけばかなりの時間短縮になるので、ぜひ活用してください。
相加相乗平均比較
a>0,b>0では相加平均\displaystyle \frac{a+b}{2}は、相乗平均\displaystyle \sqrt{ab}より常に大きく、以下が成り立つ。等号はa=bのときに成り立つ。
\displaystyle \frac{a+b}{2}≧\sqrt{ab}
\displaystyle a+b≧2\sqrt{ab}
最小値を知りたい変数が\displaystyle f(X)=k_1X+k_2\frac{1}{X}の形をとるとき、
\displaystyle a=k_1X,b=k_2\frac{1}{X}とおくと、
\displaystyle k_1X+k_2\frac{1}{X}≧2\sqrt{k_1k_2}
右辺は定数となるので、a=bのときに等号が成立し、
\displaystyle k_1X=k_2\frac{1}{X}のときにf(X)は最小値となる。
相加相乗平均比較法の使用例
- 電験3種過去問【2021年理論 問7】(可変抵抗で消費される最大電力)
- 電験2種過去問【2020年理論 問3】(テブナンの定理を用いた最大消費電力計算)
- 電験1種過去問【2016年機械制御 問1】(巻線形誘導電動機、各種運転条件での二次入力計算)
相加相乗平均比較式の証明
a>0,b>0において、
\displaystyle a+b≧2\sqrt{ab}の両辺を2乗して
\displaystyle (a+b)^2≧4ab
\displaystyle a^2-2ab+b^2≧0
\displaystyle (a-b)^2≧0
したがって不等号が成り立つ。
またa-b=0のとき、すなわちa=bで等号が成り立つ。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません