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電験3種過去問【2017年機械 問8】

2024年1月12日

【変圧器】単相変圧器の最大効率《計算問題》

 定格容量 50 kV・A の単相変圧器において、力率 1 の負荷で全負荷運転したときに、銅損が 1 000 W 、鉄損が 250 W となった。力率 1 を維持したまま負荷を調整し、最大効率となる条件で運転した。銅損と鉄損以外の損失は無視できるものとし、この最大効率となる条件での効率の値 [ % ] として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 95.2
(2) 96.0
(3) 97.6
(4) 98.0
(5) 99.0

解答と解説はこちら

解答

(4)が正しい。

解説

電験3種過去問【2023年(前期)機械 問9】と同一問題です。

変圧器の効率η[%]は、入力P1[W]、二次定格出力P2[W]、鉄損Pi[W]、銅損Pc[W]とすると

\(\displaystyle η=\frac{P_2}{P_1}\times 100=\frac{P_2}{P_2+P_i+P_c}\times 100\) [%]

また、銅損Pc[W]は、出力電圧が一定のままで、負荷を二次定格出力P2[W]のn倍に変化させると、
または、定格二次電流をn倍に変化させると
\(\displaystyle P_{cn}=n^2P_c [W]\)となる。

変圧器の効率は\(\displaystyle P_i=P_c\) のとき、最大となる。

全負荷運転時の銅損は 1000 W である。鉄損は、負荷が変化しても 250 W で一定である。
変圧器の効率は、銅損と鉄損が等しいとき、最大となる。つまり、銅損が 250 W のときに、題意の単相変圧器の効率は最大となる。

最大効率時の銅損 250 W は全負荷運転時の\(\displaystyle \frac{1}{4}\)である。これは最大効率時の二次電流が全負荷時の n 倍であるとすると、
\(\displaystyle n^2=\frac{1}{4}\)
∴\(\displaystyle n=\frac{1}{2}\)
つまり、最大効率時の出力電流は\(\displaystyle \frac{1}{2}\)である。
力率1であるので、二次出力は
\(\displaystyle P_2=\frac{1}{2}\times 50\)
\(\displaystyle  =25\)[kW]
\(\displaystyle  =25000\)[W]

したがって、最大効率は
\(\displaystyle η=\frac{P_2}{P_2+P_i+P_c}\times 100\)
\(\displaystyle  =\frac{25000}{25000+250+250}\times 100\)
\(\displaystyle  =98.0\) [%]

追加学習は変圧器の学習帳

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